看護・リハも知っておきたい低ナトリウム血症の3つの病態

                     
        
                   
        
                   
      
       

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リスク管理のコツ

リスク管理を行うためには、対象者が罹患している疾患を把握し、まずは病態把握をすることが重要です。

病態把握には、血液データやフィジカルアセスメントが大切になりますが、何よりもまずは、解剖・運動・生理学等の基礎を理解していることで、病態理解が深まります。

今回、看護・リハも知っておきたい低ナトリウム血症の3つの病態についてまとめていきたいと思います。

低ナトリウム血症とは

低ナトリウム血症は血清ナトリウム濃度が低い状態です。

血清ナトリウム濃度が135mEq/L 以下を低ナトリウム血症と言います。

低ナトリウム血症は、電解質異常症で最も頻度が多いものです。

血清Na濃度は、(ナトリウムの体内総量)/(体液量)から決まります。

ナトリウムの体内総量が減っていても、低ナトリウム血症になり。

また、体液量が増えていても、低ナトリウム血症になります。

低ナトリウム血症の3つの病態

体液量減少型の低ナトリウム血症

いわゆる低張性脱水です。

体液量減少型の低ナトリウム血症は、ナトリウムの喪失とともに、水も喪失しますが、よりナトリウムの喪失が優位になるため、低ナトリウム血症となります。

体液量減少型の低ナトリウム血症の原因としては、嘔吐、大量発汗、下痢、熱傷、利尿薬の使用、腎不全などがある。

ナトリウムの喪失として最も多いのは腎臓です。

腎臓以外では,消化管、サードスペース(細胞内(ファーストスペース)、血管内(セカンドスペース)以外のスペース)への喪失などがあります。

治療としては、ナトリウムと水を補充します

脱水なので、尿は濃縮されて高浸透圧もしくは比重が上がっています。

その場合、生理食塩水などの細胞外液補充液で治療します。

治療効果を確認するには、脱水の改善が見られるかなので、

・血圧上昇、頻脈改善
・排尿あり、濃い尿が薄くなる

事を指標とします。

体液量過剰型の低ナトリウム血症

体液量過剰型の低ナトリウム血症は、水もナトリウムも増えているが、より水が増えているようなパターンです。

肝硬変、心不全、腎不全でみられます.

この場合、体内のナトリウムの総量は増えているので、治療としては水とナトリウムの制限、利尿薬の投与が行われます。

低ナトリウム血症を補正する場合、高浸透圧性脱髄症候群に注意する必要があります。

高浸透圧性脱髄症候群では脳にダメージを与える事があるため、予防としてはゆっくりと補正する事が必要です。

補正としては4-6mEq/l/dayがベストだとされています。

利尿薬の使用は、臨床症状が強く出ている場合に行われます。

体液量過剰には、ループ利尿薬やトルバプタンが使用されます。

トルバプタンは抵利尿ホルモンが作用するバソプレシンV2受容体に拮抗するため、水が尿中に排泄されます。

治療経過の観察では、

・急激なナトリウム濃度上昇による意識障害が出ていないか
・脱水による血圧低下、頻脈はないか
・尿量確認(利尿薬の作用により急激にナトリウム濃度上昇の可能性があるため)

体液量正常型の低ナトリウム血症

体液量はほぼ正常(正常か10%以内の増減)で、ナトリウム量は正常で、血液中のナトリウムとの比で水分量が相対的に多い(体液量が増加している)ものです。

原因としては、水だけを大量に投与された場合、低張性の輸液を続けている場合、抗利尿ホルモンが不適切に分泌されて、水だけが再吸収されるような場合があります。

治療には、尿の浸透圧を確認する事が必要になります。

血清浸透圧が尿浸透圧より大きい場合、薄い尿が出ます。

血清浸透圧よりも尿浸透圧が大きい場合、水が再吸収されるので、低ナトリウム血症が進んでしまいます。

                     
        
                   
        
                   
      
       

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