看護・リハも知っておきたい排痰促進の評価とアプローチ

                     
        
                   
        
                   
      
       

排痰や呼吸についてのおすすめ記事

リスク管理のコツ

リスク管理を行うためには、対象者の患っている疾患から病態を把握し、カルテ情報やフィジカルアセスメント等を行うことが必要になります。

病態把握のためには、解剖学や生理学、病理学等の基礎知識も必要になります。

今回、看護・リハも知っておきたい排痰促進と評価のポイントについてまとめていきたいと思います。

痰はなぜ出るか、そのメカニズム

まず、「痰」というのがどのようなものかを理解していきます。

「痰」は、肺にある分泌物や吸い込んだ空気中の異物が気道の粘液に付着したものです。

健康的な方は、痰はほとんど排出されないのですが、気道や肺から1日当たり60-100mlが産生されています。

健康な方において、痰の体外への排出が行われないのは、「繊毛」により吸収や蒸発するためです。

60-100mlの痰のうち10ml程度が咽頭に達しますが、無意識のうちに嚥下するため、体外への排出はほとんどないという事になります。

痰が増加する理由

痰が増加するのには、何らかの理由があります。

・分泌物の増加(感染や炎症によるもの)
・分泌物の性状変化(粘り気が出る)
・線毛の運動障害
・気道内気流低下(呼吸運動減弱によるもの)

心不全などによる胸水貯留によっても、痰の増加が認められるため注意が必要になります。

痰の性状

痰の性状には以下の様な分類があります。

  • 粘液性:白くねばねばした痰
  • 膿性:黄色い色で強い粘りがある
  • 粘膿性:粘液性と膿性が混じった痰
  • 漿液(しょうえき)性:水のようにサラサラで無色透明
  • 漿液粘膿性:漿液性と粘液性と膿性がまじった痰
  • 粘性線維素性:粘りがあり、透明感のある鉄さびのような赤茶色の痰

排痰がしづらい場合、痰の性質が粘稠性である事が多いです。

排痰促進のための評価とアプローチのポイント

排痰を促進するためのポイントとしては、

・気道内分泌物の量や性状と粘稠度の高さ
・口腔内の乾燥
・術後の呼吸筋筋力低下や咳嗽力の低下

についてアセスメントする事が必要になります。

上記2つの原因に対しては、飲水を促したり、水分出納バランスの調整が必要になります。

水分量の低下は痰の粘性や硬さに影響を与えます。

また、気道の乾燥があれば痰に含まれる水分は減少します。

すると、痰は気道に停滞しやすくなり、繊毛運動が乏しくなる事で、さらに痰の移動が困難となります。

この様な状態を避けるためには、

  • 加湿器などの使用しによる湿度管理
  • 水分出納バランスを見直す
  • 薬剤による痰の粘度を調整

などが必要になります。

口腔内乾燥には乾燥がある場合には、保湿剤を塗布し湿潤させる事があります。

その際、保湿剤はたくさん塗りすぎると口腔内でダマになる事があるので注意が必要になります。

術後の疼痛による排痰の困難さがあるのであれば、薬物療法による鎮静を促すことや、早期よりリハビリテーションを導入して早期離床による廃用の予防や機能向上に努める事が必要になります。

排痰促進とネブライザーの効果

「ネブライザー」とは、吸入薬を霧状にし、直接気管支に届けるための器具です。

ネブライザーは、気道の加湿を目的に使用されることもありましたが、痰を柔らかくするには不十分なアプローチだとされています。

ネブライザーでの加湿は、下気道に到着するのは約11%程度とされており、肺内まで届きにくい事がわかります。

また、ネブライザーでは痰の粘性に与える影響はわずかともされている事から、排痰促進には推奨されていないのが現状です。

                     
        
                   
        
                   
      
       

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