目次
胸部X線や胸部CTについてのおすすめ記事
- 看護・リハも知っておきたい慢性閉塞性肺疾患(COPD)の胸部X線画像の特徴と読み方
- 看護・リハも知っておきたい自然気胸の胸部X線画像の特徴と読み方
- 看護・リハも知っておきたい胸水貯留の胸部X線画像の特徴と読み方
- 看護・リハも知っておきたい無気肺の病態と胸部X線画像の特徴と読み方
- 看護・リハも知っておきたい胸部X線画像の読み方-正常胸部X線画像における各部位の名称と位置関係-
- 看護・リハも知っておきたい心不全・肺水腫の胸部X線画像の特徴と読み方
- 胸部X線と心胸郭比-心筋収縮力とスターリングの法則-
- 看護・リハも知っておきたい慢性閉塞性肺疾患(COPD)の胸部CT画像の特徴と読み方
- 看護・リハも知っておきたい胸水貯留と胸部CT画像の特徴と読み方
- 看護・リハも知っておきたい間質性肺炎と胸部CT画像-ハニーカムサインとすりガラス陰影-
- 看護・リハも知っておきたい無気肺と胸部CT画像の特徴と読み方
リスク管理のコツ
リスク管理を行うためには、対象者が罹患している疾患を把握し、まずは病態把握をすることが重要です。
病態把握には、血液データやフィジカルアセスメントが大切になりますが、何よりもまずは、解剖・運動・生理学等の基礎を理解していることで、病態理解が深まります。
また対象者の画像情報からも、フィジカルアセスメントと一致した初見が見られないかなど、有用な情報を得ることが可能になります。
今回、看護・リハも知っておきたい胸水貯留と胸部CT画像の特徴と読み方についてまとめていきたいと思います。
胸水とは
胸水は胸膜(肺の周りに肺を包み込むように被さっている膜)の中に水が貯留する現象です。
胸水は正常でも少量程存在し、胸膜がこすれない様に潤滑液としての役割を果たしています。
胸水は、壁側胸膜から産生され、臓側胸膜から吸収されることにより、一定の量を保血ますが、何らかの原因でこのバランスが崩れると胸水が貯まります。
一方で、肺水腫は、肺の中に水が貯留する現象です。
病態が異なるため、定義を理解しておくようにしてください。
胸水がたまるメカニズム
胸水の産生増加
胸水の産生が増える要因としては、
・左心不全
・低タンパク血症
・無気肺による胸腔内圧減少
・肺塞栓
・肺がん
・結核
・肝硬変
・膵炎
などがあります。
胸水の吸収減少
胸水の吸収が減る要因としては、がんによるリンパ閉塞があります。
乳び胸
乳び胸は、胸管から乳白色の乳び、リンパ液が胸腔内に漏出するものです。
食道がん術後、胸管損傷により生じることがあります。
胸部CT画像の基礎
CT画像では、
・骨は「白」
・空気は「黒」
・血液は「白っぽいグレー」
・水は「黒っぽいグレー」
・正常な組織は「真っ黒にはならない」
事を念頭に置いておくことが必要です。
下図は、正常な胸部CT画像です。
胸水貯留と胸部CT画像の特徴と読み方
下図は胸水貯留とがある胸部CT画像です。
上図を左右で比較すると、左肺に比べて、右肺は胸水(白っぽいグレー)により肺が小さく見えています。
術後の腹部炎症により胸水が出現した場合は、炎症の回復とともに胸水は消失します。
肝臓手術後に出現した胸水では、黄疸の出現に注意します。
黄疸があれば術後肝不全の疑いがあります。
心不全による胸水(術後含む)にも注意しておく必要があります。
この記事へのコメントはありません。