目次
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リスク管理のコツ
リスク管理を行うためには、対象者が罹患している疾患を把握し、まずは病態把握をすることが重要です。
病態把握には、血液データやフィジカルアセスメントが大切になりますが、何よりもまずは、解剖・運動・生理学等の基礎を理解していることで、病態理解が深まります。
また対象者の画像情報からも、フィジカルアセスメントと一致した初見が見られないかなど、有用な情報を得ることが可能になります。
今回、看護・リハも知っておきたい慢性閉塞性肺疾患(COPD)の胸部X線画像の特徴と読み方についてまとめていきたいと思います。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは
慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは、
・タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することなどにより生じる肺疾患
・呼吸機能検査で気流閉塞を示す
上記2つがガイドラインで定められています(COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン 第5版 2018)。
気流閉塞とあるため、呼吸において、息が吐きにくい状態になっていることが特徴的な疾患という事になります。
COPDの病型
COPDの病型分類としては、大まかには末梢気道の炎症性病変(非気腫型)か、肺胞の気腫病変(気腫型)に分類されます。
すなわち、気腫性病変が大きいか小さいかで分類されている事になります。
気腫型では、胸部単純X線、胸部CTにおいて気腫性陰影が優位に見られます。
非気腫型では、胸部単純X線、胸部CTにおいて気腫性陰影が無し、もしくは微細という事になっています。
COPDの急性増悪で気をつけておきたいこと
COPDの対象者が、急激に呼吸症状が悪化した場合、肺炎や気胸、肺塞栓症をきたしていないかを確認する必要があります。
そのためには、過去の画像を参照しながら、経過を確認することが求められます。
普段のフィジカルアセスメントと比較し、呼吸状態や排痰増加、酸素化の低下、喘鳴が聴取された場合、主治医に報告し、適切な治療を受ける必要があります。
肺炎や気胸の所見がなければ、気管支拡張薬やステロイド、抗菌薬の内服または点滴治療が行われます。
呼吸状態悪化に対して大量の酸素摂取投与では高二酸化炭素血症により意識障害や呼吸停止を引き起こすことがあります。
COPDの対象者では、酸素化の目標値を88-94%程度に定めている事が多いので、目標値に達するように確認することが必要になります。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の胸部X線画像の特徴と読み方
COPDの胸部X線画像の特徴は、肺の過膨張が確認されることです。
閉塞性換気障害は、気管支内腔が狭くなることとと、呼気時に末梢気道が虚脱・閉塞することが原因となっています。
呼気時の末梢気道が虚脱・閉塞は、肺胞構造が破壊されたことによる肺の弾力性低下が関与します。
正常の肺では弾力のあるゴム風船に例えられますが、肺気腫では弾力性がなくなっている風船のようになり、はいは弾力性を失い伸びきった状態になります。
これが、「肺の過膨張」と呼ばれる状態です。
肺胞は、呼吸時に気道が虚脱・閉塞しないように気管支の開存を保持しますが、肺の弾力性低下により保持力が弱くなり、呼気時に気道の虚脱・閉塞が生じます。
その結果空気が最後まで呼出されず、肺内に空気が取り残され(エアーとラッピング)、さらに肺は過膨張になります。
また、労作により呼吸数が増えると、より肺内に空気が取り残され、肺の過膨張が増強します。
上図では、肺の過膨張があり、上下方向に肺が引き伸ばされた状態が確認できます。
その結果、心臓が細長く写ることがわかります。
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