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リスク管理のコツ
リスク管理を行うためには、対象者が罹患している疾患を把握し、まずは病態把握をすることが重要です。
病態把握には、血液データやフィジカルアセスメントが大切になりますが、何よりもまずは、解剖・運動・生理学等の基礎を理解していることで、病態理解が深まります。
また対象者の画像情報からも、フィジカルアセスメントと一致した初見が見られないかなど、有用な情報を得ることが可能になります。
今回、看護・リハも知っておきたい無気肺の病態と胸部X線画像の特徴と読み方についてまとめていきたいと思います。
無気肺とは
無気肺とは、空気の無くなった肺の事をさし、肺内の空気が抜けた状態です。
さまざまな原因があり、高齢者の術後にも多く見られます。
似たような病態に「気胸」があります。
一般的には、気胸以外の原因で肺内の空気が抜けているものを無気肺と呼びます。
無気肺の原因
無気肺は、
・臥床期間が長い
・中枢気道の閉塞で空気が入らなくなった
・胸水などによって肺が外から圧されて空気が抜けた
・横隔膜下の腫瘍などの炎症波及により肺胞内の含気がなくなり潰れた
などの原因により発生します。
術後、背臥位期間が長いと簡単に発生しやすく、その場合、離床時間の不足が生じていないか、リハビリテーション時間は十分かなどを検討する事が必要になります。
無気肺の症状
無気肺が広範囲になると、肺の一部に空気が入らなくなります。
すると酸素化の低下が生じ、呼吸不全を生じることがあります。
何らかの異物により気管支がふさがっている状態では、その場所の奥に細菌が溜まって肺炎を起こすことがあります。
フィジカルアセスメントとしては、胸郭の呼吸運動が低下し左右差が見られます。
また聴診では患側の呼吸音が聴取できません。
打診では患側が濁音となります。
ただし、上記の所見は無気肺が広範囲に生じた場合に把握できるものとなります。
無気肺の胸部X線画像の特徴と読み方
無気肺で胸部X線画像を撮影するのは、呼吸不全により無気肺が疑われる場合や、発熱を合併している場合があります。
無気肺の胸部X線画像では、
・無気肺になった側の肺が真っ白になる(通常は黒っぽい(空気を示す部分))
→空気が正常に肺に入っていない
・縮んだ肺の容積が減少する(肺は小さくなる)
・肺の縮みの具合が大きくなると、周りの組織が引っ張られる
事が特徴です。
ここで、正常の胸部X線画像を確認しておきます。
上図は正常の胸部X線画像ですが、肺内の空気を示す部分が黒っぽく写っているのが確認できます。
次に、無気肺の胸部X線画像を確認します。
上図は右上葉無気肺の胸部X線画像になります。
無気肺はCT画像撮影でより明らかになります。
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