血液データアセスメント-脱水とBUN/Cre比-

                     
        
                   
        
                   
      
       

脱水や血液データについてのおすすめ記事

リスク管理と血液データ

リスク管理においては、対象者の状態をアセスメントすることが必要です。

この時、フィジカルアセスメントに加えて、血液データを参照することにより、対象者の状態をより詳細に捉えることにつながります。

血液データの項目には様々なものがありますが、脱水ではBUN/Cre比を参考にすることが必要です。

今回、血液データアセスメントとして、脱水とBUN/Cre比についてまとめていきたいと思います。

脱水の概要と種類

脱水の概要

脱水とは、

・水分摂取量の減少
・水分喪失量の増加
・上記2つが同時に発生

している状態です。

水欠乏性脱水

血漿浸透圧の上昇による口の渇きや尿量の減少などを呈します

水の摂取不足や大量発汗で生じます

利尿薬服用で、腎臓での水の再吸収障害により水分を多く含んだ尿が多量に出てしまうことでも生じます。

ナトリウム欠乏性脱水

細胞外液のナトリウムなどの電解質が失われ、細胞外の浸透圧が低下し、細胞外液の水分が浸透圧の高い細胞内へ流れることによるものです。

大量発汗した際に、電解質を摂取せずに水分のみ摂取した場合に生じることがあります。

ケガや手術による出血や嘔吐・下痢などで電解質が失われることにより生じます。

BUNが意味するもの

BUNとは

BUNは、血清中の尿素窒素を測定したもので、基準値は8-20mg/dLです。

BUNは、タンパク質分解により生じた老廃物です。

腎臓の糸球体で濾過され、一部は再吸収されますが、ほとんどは尿中に排泄されます。

そのため、BUNは腎臓における濾過がどの程度うまく機能しているかを示しています。

BUNが増加する理由

BUNが増加する理由としては、「腎臓に原因があるもの(腎性)」と「腎臓よりも前に原因があるもの(腎前性)」を考える必要があります。

腎臓に原因があるものとしては、腎不全などにより糸球体での濾過機能が低下しBUNが増加します。

腎臓よりも前に原因があるものとしては、たんぱく質の過剰摂取や異化(栄養素を酸化・分解することにより、生命維持や活動に必要なエネルギーを得る過程)亢進によりBUNが増加します。

また、脱水状態で循環血液量が低下すると、尿素を含む血液が糸球体に送り込まれなくなるため、BUNが増加します。

他にも、組織の崩壊や消化管出血などによってもBUNは増加します。

Creが意味するもの

Creとは

Creは、血清中のクレアチニンを測定したもので、基準値は男性で0.65-1.07mg/dL、女性で0.46-0.79mg/dLです。

Creは、筋肉中のタンパク質の老廃物です。

Creは、糸球体から濾過された後、そのほとんどが再吸収されずに尿中に排泄されます。

そのため、Creは腎臓における濾過がどの程度うまく機能しているかを示しています。

Creは成人では体重kgあたりほぼ一定であり、食事による摂取などの影響を受けません。

Creが変動する場合、横紋筋融解などが生じていることがあります。

Creは変動要因が少ないため、BUNと比較し濾過機能を正確に反映している指標になります。

脱水とBUN/Cre比

脱水では、BUN/Cre比が上昇します。

BUN/Cre比は通常10程度ですが、この数値の上下の変化が大きいことは、腎臓以外の因子が関与している事が考えられます。

脱水ではたんぱく質の異化亢進や循環血液量が低下します。

このような状態では、糸球体からたんぱく質が濾過されない(尿素を含む血液が糸球体に送り込まれなくなる)ため、BUNが増加します。

一方、腎機能が保たれているとCreの変動は小さいため、BUNのみが増えるのでBUN/Cre比が大きくなります。

ここでは脱水を例としてBUN/Cre比の上昇を示しましたが、BUN/Cre比のデータを見る際には、その上下の変化がある場合は腎臓以外の因子を考える必要があります。

 

                     
        
                   
        
                   
      
       

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