COPD(慢性閉塞性肺疾患)ではなぜ気流閉塞が生じるか

                     
        
                   
        
                   
      
       

リスク管理のコツ

リスク管理を行うためには、対象者が罹患している疾患を把握し、まずは病態把握をすることが重要です。

病態把握には、血液データやフィジカルアセスメントが大切になりますが、何よりもまずは、解剖・運動・生理学等の基礎を理解していることで、病態理解が深まります。

今回、COPD(慢性閉塞性肺疾患)ではなぜ気流閉塞が生じるかについてまとめていきたいと思います。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは

慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは、

・タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することなどにより生じる肺疾患
・呼吸機能検査で気流閉塞を示す

上記2つがガイドラインで定められています(COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン 第5版 2018)。

気流閉塞とあるため、呼吸において、息が吐きにくい状態になっていることが特徴的な疾患という事になります。

有害物質と気道閉塞の関係性

有害物質吸入と気道閉塞の関係性についてです。

有害物質吸入により、気道粘膜の刺激により、気管の末梢気道を中心に炎症が生じます。

気道炎症により気管支粘膜の分泌が増加したり、気管支を刺激から守ろうとして気管の壁が肥厚や繊維化するようになります。

すると、末梢気道が狭窄し、痰量も増加するので、息の吐きにくさや咳が出現します。

慢性的な気道炎症による気管支壁の肥厚は、非可逆的(元に戻らない)な状態になってしまいます。

有害物質と肺胞の関係性

有害物質を吸入すると、肺胞壁が壊れていまいます。

すると、細かく分かれている肺胞が一つにまとまってしまいます。

肺胞は、本来であればゴム風船のように収縮をしますが、肺胞壁の崩壊により収縮力は低下し、空気が停滞してしまいます(ゴム風船から紙風船のようになる)。

このような状態では、呼気がうまく吐き出せなくなります。

これが、慢性閉塞性肺疾患で1秒率(最初の1秒間に吐き出せる呼気の割合)が低下する原因になります。

COPDの病型と病期分類

COPDの病型

COPDの病型分類としては、大まかには末梢気道の炎症性病変(非気腫型)か、肺胞の気腫病変(気腫型)に分類されます。

すなわち、気腫性病変が大きいか小さいかで分類されている事になります。

気腫型では、胸部単純X線、胸部CTにおいて気腫性陰影が優位に見られます。

非気腫型では、胸部単純X線、胸部CTにおいて気腫性陰影が無し、もしくは微細という事になっています。

COPDの病期分類

COPDの病期は、気流閉塞の程度を元にして分類されています。

Ⅰ期:軽度の気流閉塞→%FEV1≧80%

Ⅱ期:中等度の気流閉塞→50%≦%FEV1<80%

Ⅲ期:高度の気流閉塞→30%≦%FEV1<50%

Ⅳ期:極めて高度の気流閉塞→%FEV1<30%

なお、この病期分類は、気管支拡張薬吸入後のFEV1/FVC 70%未満が必須条件となっています。

努力性肺活量(FVC)とは最大吸気位から最大呼気位まで一気に呼出させた呼出量をさします。

FEV1というのは、1秒量で、最大吸気位より1秒間の呼出量をさします。

FEV1/FVCというのは、1秒量(FEV1)を努力性肺活量(FVC)で割った値で、1秒率と言います。

1秒率(FEV1.0%)が70%未満のとき、閉塞性換気障害といいます。

                     
        
                   
        
                   
      
       

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