リスク管理に役立つ血ガス分析の見方-PHが正常範囲内でも代償を見逃さない-

                     
        
                   
        
                   
      
       

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リスク管理のコツ

リスク管理を行うためには、対象者が罹患している疾患を把握し、まずは病態把握をすることが重要です。

病態把握には、血液データやフィジカルアセスメントが大切になりますが、何よりもまずは、解剖・運動・生理学等の基礎を理解していることで、病態理解が深まります。

今回、リスク管理のための血ガス分析の見方として、PHが正常範囲内の場合における代償の確認を中心にまとめていきたいと思います。

血ガス分析とPaCO2、HCO3-

血ガス分析におけるPaCO2との関係を確認していきます。

PaCO2は動脈血二酸化炭素分圧のことで、動脈血中の二酸化炭素の分圧を表しています。

PHを異常値にしている原因(二酸化炭素:酸性物質)となります。

PaCO2は換気により調節されています。

PaCO2の基準値は35-45Torrです。

血ガス分析におけるHCO3-との関係を確認していきます。

HCO3-は、血漿重炭酸イオンです。

PHを異常値にしている原因(重炭酸イオン:アルカリ性物質)となります。

HCO3-の基準値は22-26mEq/Lです。

PaCO2とHCO3-の調整

PaCO2の調整は、肺で行われます。

呼吸回数を調整することで、PHを保っています。

何らかの影響で肺の換気量が低下すると、CO2が体内に残ったままになるため、体内は酸性に傾いていきます。

逆に、換気量が増えると、CO2が体外に多く出て行ってしまい、体内がアルカリ性に傾くこともあります。

腎臓では、HCO3-やH +の排出や再吸収によりPHを調節します。

腎臓によるPHの変化を「代謝性」と呼びます。

腎臓によるPHの変化は時間がかかるとされています。

そのため、代謝性の変化は、慢性的なものによるものと考えられます。

PHの正常範囲と異常な状態

「PH」と言うのは、水溶液の性質を表す単位の一つで、溶液中の水素イオンの濃度のことをさします。

人体においては、健常な人の動脈血はpH7.35~7.45と、中性(PH7)に近い値となります。

PHが酸性に傾く事をアシデミアと言います。

PHが酸性になる病態をアシドーシスと言います。

PHがアルカリ性に傾く事をアルカレミアと言います。

PHがアルカリ性になる病態をアルカローシスと言います。

PHが正常範囲内での代償の有無を確認

体内に異常があるときに、PHは酸性もしくはアルカリ性に傾きます。

このとき、PaCO2やHCO3-の増減をみることで、その原因を考えることができます。

しかしながら、体内に異常があるにも関わらず、PHが正常範囲内に留まっていることがあります。

それは、「代償」が働いているためです。

言い換えるならば、代償によってPHのバランスの釣り合いを取っている状態になります。

代償が働いているかを確認する場合、PaCO2とHCO3-が異常値になっていないかを確認することが必要です。

・PaCO2>45 かつ HCO3->26(酸・アルカリの両方が増える)
・PaCO2<35 かつ HCO3-<22(酸・アルカリの両方が減る)

                     
        
                   
        
                   
      
       

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