リハビリテーションとリスク管理-酸塩基平衡-

                     
        
                   
        
                   
      
       

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リハビリテーションとリスク管理

リハビリテーションでは、対象者のが患っている疾患から病態を捉え、そこからリスクを予測し、実際に情報収集やフィジカルアセスメントを行い、リスク管理を行う必要があります。

また、病態把握を行うためには、各臓器の解剖学や生理学など、正常な機能を学んでおく必要があります。

今回、リスク管理を行うための知識として、酸塩基平衡についてまとめていきたいと思います。

酸塩基平衡とは

酸塩基平衡とは、体内での酸と塩基のバランスの事を言います。

体内での酸と塩基のバランスは、主に肺と腎臓で調節されます。

簡単に言うと、体が酸性かアルカリ性のどちらに傾いているかという事です。

酸塩基平衡は「PH」で示され、正常値は7.4±0.05の間で保たれています。

アシデミア・アシドーシスとアルカレミア・アルカローシス

体内の酸塩基のバランスの傾きを示す言葉に、「アシデミア」「アシドーシス」「アルカレミア」「アルカローシス」があります。

PHが酸性に傾く事をアシデミアと言います。

PHが酸性になる病態をアシドーシスと言います。

PHがアルカリ性に傾く事をアルカレミアと言います。

PHがアルカリ性になる病態をアルカローシスと言います。

酸塩基平衡を調節する仕組み

酸塩基平衡は主に3つの仕組みにより調節されています。

緩衝系

緩衝系は、体液で酸を放出したり、吸収するものです。

緩衝系には、

・重炭酸緩衝系:HCO3
・リン酸緩衝系:HPO42-
・ヘモグロビン緩衝系
・血漿蛋白緩衝系

があります。

これらは、調節のスピードが速く、ミリ秒単位で調節がなされます。

肺による調整

肺では、呼吸によりCO2を排出する事でPHを調節します。

肺の調整によるPHの変化を「呼吸性」と呼びます。

PHの調整には呼吸の方が速いとされています。

そのため、呼吸性の変化は、急性疾患や急激な状態変化によるものと考えられます。

腎臓による調整

腎臓では、HCO3-やH +の排出や再吸収によりPHを調節します。

腎臓によるPHの変化を「代謝性」と呼びます。

腎臓によるPHの変化は時間がかかるとされています。

そのため、代謝性の変化は、慢性的なものによるものと考えられます。

代謝性アシドーシスの指標「アニオンギャップ(A/G)」

代謝性アシドーシスの指標として、「アニオンギャップ(A/G)」があります。

アニオンギャップ(A/G)は、血液中に存在する陽イオンと陰イオンの差の事です。

アニオンギャップ(A/G)の値の増加は、体内にHCO3-とCl -以外の陰イオンが、代謝の影響により増加している事を示しています。

アニオンギャップ(A/G)の正常値は12±2mmol/dlで、血液ガス分析のデータを参照する事で把握できます。

PHの変化と症状

PHが酸性に傾く事をアシデミアと言い、これはPHが7.35を下回っている状態です。

一般的には、PHが7.2以下になると、

・血圧低下
・不整脈
・見当識障害

など生じる事があります。

6.8以下では生命維持が難しくなります。

PHがアルカリ性に傾く事をアルカレミアと言い、これはPHが7.45を上回っている状態です。

一般的には、PHが7.55以上になると、

・不整脈
・テタニー症状(血液中のカルシウム濃度が低下して、末梢神経の興奮性が高まり、筋肉の持続的な硬直をきたすも
 の)
・見当識障害

などが生じる事があります。

7.8以上では生命維持が難しくなります。

                     
        
                   
        
                   
      
       

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