目次
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栄養の重要性
身体機能や活動性を向上させるには、ただただ運動させるだけではいけません。
対象者の全身状態をアセスメントし、その状態に適した運動処方を行う必要があります。
高齢者では全身状態悪化の要因の一つとして栄養不足があります。
栄養状態が不良の状態で、積極的なトレーニングを行うと、逆に身体機能や活動性が低下してしまうことがあります。
それだけ、対象者の栄養状態のアセスメントは重要になるということです。
食欲低下の原因
食欲低下の原因にはいくつかの要素が考えられます。
・食習慣、環境
・嚥下機能低下
・がんや、手術、薬物療法、放射線治療などの治療の影響
・消化器系の症状(胃炎、吐き気、便秘、下痢など)
・身体症状(痛み、息苦しさなど)
・口腔内環境(味覚の変化、口内炎、口内の乾燥、入れ歯が合わないなど)
・精神的要因(不安、抑うつ、せん妄、ストレスなど)
原因を考えただけでも、上記のように多数の事が考えられます。
そのため、食欲低下の原因を詳細にアセスメントしながら、対策を講じて行く必要があります。
今回は、食欲低下の原因の中でも、食習慣や環境に焦点を当てていきたいと思います。
食習慣、環境が食欲に与える影響
食事は、ただ単に食べるだけではなく、楽しみの一つと答える方は少なくありません。
それだけ、食事というのはQOLにも影響を与える可能性が高いということになります。
皆さんは、どのような食習慣で、またどのような環境で食事をとる事が好きですか?
このような、「食習慣」と「食事をとる環境」を聴取する事で、食欲低下の原因を知る事ができることもあります。
対象者の価値観は多様性に富み、食習慣も様々なものが考えられます。
また、食習慣は住んでいた地域によっても変わる事が多いです。
対象者の食習慣を知るための質問のヒントを以下に示します。
・「家庭での味付けと比べてどうですか」
・「醤油やソースなどの味付けはよくしていましたか」
・「よく食べていたお菓子は何ですか」
・「濃い味をよく食べていましたか」
・「よく食べていた料理は何ですか」
などがあります。
特に、対象者の嗜好について聴取する事で、食習慣が現在の食事と合っていない事で食欲低下に繋がっていないかを考えていきます。
次に、食事環境を考えていきます。
日頃の食事環境と違う事で食欲が湧かない方も多くいます。
対象者の食事環境を知るための質問のヒントを以下に示します。
・「食事は誰と食べますか」
・「食前にビールを飲みますか」
などがあります。
食習慣、環境に対する対策
食習慣に対しては、全身状態を考慮した上で調整が可能であれば、味付けの変更や味の付け加えを行います。
また、対象者の嗜好に合ったものを持ち込みしてもらうことも可能です。
現在はコロナの影響で、病院や施設に家族の方が入ることはできませんが、それまでは、ご家族に同席してもらうことも行うことはありました。
食環境に関して、アルコール飲料の持ち込みは難しいので、アルコールフリードリンクを持ち込む事で、食欲向上に取り組んだこともありました。
これもコロナのため難しいかもしれませんが、食事のために短時間外出を行い、外食してもらうというのも気分転換になるかもしれません。
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