目次
腎不全についてのおすすめ記事
- リハビリテーションとリスク管理-腎機能の理解から腎不全における症状を確認-
- リハビリテーションとリスク管理-腎不全の浮腫の現れ方、見分け方-
- リハビリテーションと易疲労性-原因②腎不全による腎性貧血-
- リハセラピストも知っておきたい電解質輸液の種類と違い
- リスク管理に役立つ血ガス分析の見方-PHが正常範囲内でも代償を見逃さない-
- リスク管理に役立つ血ガス分析の見方!HCO3-を中心に!
- リスク管理に役立つ!血ガス分析のための基礎知識!
- リハビリテーションとリスク管理-腎臓とホルモン産生・調節-
- リハビリテーションとリスク管理-腎機能低下と血圧-
リハビリテーションとリスク管理
リハビリテーション実施におけるリスク管理としては、
「リハビリテーション医療における安全管理・推進のためのガイドライン」が有名な所かと思います。
このガイドラインでは、全対象者に共通する項目として、リスク管理に必要なものが記載されています。
しかしながら、対象者が抱える疾患は多岐にわたり、疾患特有のるリスク管理も行って行く必要があります。
今回、リハビリテーションにおけるリスク管理の中でも、腎不全と体重についての関係性をまとめていきたいと思います。
腎不全とは
血液を濾過する(そこから尿を作る)ためには「糸球体」と呼ばれる組織の働きが必要です。
この糸球体の網の目がつまってしまうと腎臓の機能が低下してしまいます。
腎機能が低下すると、老廃物を十分排泄できなくなり、このような状態を腎不全といいます。
なお、腎臓の働きが正常の30%以下に低下した状態が腎不全と定義されています。
いったん慢性腎不全になると、腎機能は回復しません。
対象者の状態によっては、生命維持のために透析を行うようになります。
腎臓のその他の働きとしては、以下のようなものがあります。
・老廃物や余分な水分、酸・電解質を体の外に排泄する
・血液を作るホルモン(エリスロポエチン)を出す
・ビタミンDを活性化させる(骨を維持するのに必要)
以前、易疲労性の原因となる貧血について記事を挙げましたが、腎不全によりエリスロポエチンが産生できなくなると、腎性貧血を引き起こすことがあります。
腎不全と体重増加
腎不全におけるリスク管理項目として、体重はその指標となります。
腎不全においてなぜ体重が増加するのかを考えていきます。
腎臓の機能が低下すると、ろ過機能の低下から、過剰な水分を排出することが難しくなります。
これが、浮腫や体重増加の原因となります。
そのため、腎不全がある方の場合、体重測定を毎日、朝食前に行うことが理想的です。
その際、体重増加が1日に1-2kg以上ある場合は増悪兆候となるので注意が必要になります。
体重増加の原因は腎不全と考えるための血液データの見方
腎不全の場合、血液データにおける以下の指標を参考にします。
・尿素窒素(BUN)
・クレアチニン(Cre)
・尿素窒素(BUN)では40mg/dL以上
・(クレアチニンでは)Cre2.0mg/dL以上
を血液データの指標として、腎機能の低下を考えます。
療法士としては、対象者の方の体重増加があった場合、血液データも参考にしながら全身状態をアセスメントします。
前途したリハビリテーション医療における安全管理・推進のためのガイドラインでは、体重増加は要注意項目として挙げられているのを確認しておいてください。
この記事へのコメントはありません。