目次
脱水や電解質についてのおすすめ記事
- リハセラピストも知っておきたい電解質輸液の種類と違い
- リハビリテーションとリスク管理-電解質異常と不整脈-
- リハビリテーションと易疲労性-原因③電解質異常-
- 高カリウム血症と脈拍-なぜ徐脈になるか-
- リハビリテーションとリスク管理-腎機能の理解から腎不全における症状を確認-
- 脱水のリスク管理-脳浮腫による後遺症や浸透圧性脱髄症候群-
- 血液データアセスメント-脱水とBUN/Cre比-
リスク管理と血液データ
リスク管理においては、対象者の状態をアセスメントすることが必要です。
この時、フィジカルアセスメントに加えて、血液データを参照することにより、対象者の状態をより詳細に捉えることにつながります。
血液データの項目には様々なものがありますが、脱水ではBUN/Cre比を参考にすることが必要です。
今回、血液データアセスメントとして、脱水と電解質の関係性についてまとめていきたいと思います。
脱水の概要と種類
脱水とは
脱水とは、
・水分摂取量の減少
・水分喪失量の増加
・上記2つが同時に発生
している状態です。
脱水の種類と特徴
高張性脱水
高張性脱水は、血漿浸透圧の上昇によりナトリウム(Na)よりも水分の方がより多く失われる状態です。
細胞内の脱水が高度となり強い口渇を生じます。
高熱や腎濃縮力低下、意識障害、口渇中枢の障害などが背景にあります。
発汗が亢進され、水分の自己摂取が難しい場合に高張性脱水に至りやすい事が特徴です。
等張性脱水
等張性脱水は血漿浸透圧は変化しません。
そのため、細胞外液の浸透圧と同等の浸透圧の体液が失われます。
等張性脱水は、高張性脱水に移行しやすい事が特徴になります。
循環血液量が低下するので、症状としては血圧低下が生じます。
下痢や嘔吐、熱傷や出血などが背景にあります。
低張性脱水
低張性脱水は、血漿浸透圧が低下し、ナトリウムが水分よりも多く失われます。
細胞内に水が移行することにより細胞外液が減少します。
すると末梢循環不全が生じるので、症状として血圧低下や顔面蒼白、四肢冷感が生じます。
副腎皮質機能不全症、塩類喪失性腎症や利尿薬の過剰投与など医原性(治療のために行われた医療行為が、新たな疾患を引き起こすこと)によるものも多い事が特徴です。
脱水と電解質の関係性
脱水の血液データアセスメントとして有名なのは、ヘマトクリット値やアルブミン値です。
脱水では血液が濃縮されるため、ヘマトクリット値やアルブミン値は上昇します。
電解質においては、最低限「ナトリウム」「カリウム」「クロール」のチェックを行います。
高張性脱水は、血漿浸透圧が上昇し、Naよりも水分が多く失われる状態でした。
高張性脱水では、ナトリウム↑、カリウム↓、クロール↑となります。
一方、低張性脱水では、ナトリウム↓、カリウム↓、クロール↓となります。
この記事へのコメントはありません。