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リハビリテーションとリスク管理
リハビリテーション実施の際には、対象者の状態に合わせたリスク管理を行うことが重要です。
リスク管理を行うためには、対象者の患っている疾患から病態を把握し、カルテ情報やフィジカルアセスメント等を行うことが必要になります。
病態把握のためには、解剖学や生理学、病理学等の基礎知識も必要になります。
今回、糖尿病とリスク管理と題して、合併症が生じるしくみについてまとめていきたいと思います。
糖尿病と合併症
糖尿病の合併症は、主に3つあります。
・糖尿病性網膜症
・糖尿病性腎症
・糖尿病性神経障害
これら3つの合併症は、細小血管障害と言われています。
高血糖が持続すると、毛細血管や細小動脈に負担がかかり、障害が生じます。
細小血管障害を防ぐには、血糖コントロールを適切に行うことが大切になります。
糖尿病性網膜症
慢性的な高血糖により網膜の細小血管が障害されると、新生血管が発生します。
これが破綻すると出血し、増殖膜が生じて網膜を牽引することで、網膜剥離が生じます。
糖尿病性腎症
慢性的な高血糖により、腎臓にある糸球体系蹄の細小血管障害により、糸球体が硬くなります。
糖尿病性神経障害
神経栄養血管の細小血管障害や血栓症、もしくは神経組織の代謝異常により、感覚神経や自律神経が障害されます。
糖尿病と大血管障害
糖尿病があると、大きな血管においても動脈硬化などの変化が生じやすく、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めてしまいます。
また、閉塞性動脈硬化症(ASO)のリスクも高まります。
閉塞性動脈硬化症(ASO)は、下肢の動脈硬化により虚血性病変が生じた状態です。
糖尿病と足病変
糖尿病による足病変は、最悪の場合壊疽部分を切断しなくてはなりません。
この足病変は、末梢神経障害と閉塞性動脈硬化症などによって下肢の血流障害が原因となることが考えられます。
動脈硬化の状態を把握するには、いくつかの検査があります。
まずはエコー検査が行われることが一般的です。
そのほか、動脈の詰まりを測定するABI(足関節上腕血圧比)や、動脈の硬さを測定するCAVI(心臓足首血管指数)があります。
ABI(足関節上腕血圧比)は、四肢の血圧を同時に測定して足関節と上腕動脈血圧の比を調べるものです。
CAVI(心臓足首血管指数)は心臓から出た拍動の血管内での伝わり方を測定するものです。
これらはスクリーニング的にも行われ、必要に応じて血管造影検査が行われます。
フットケアの重要性
糖尿病性の足病変では、フットケアが重要になります。
フットケアにおけるポイントを以下に挙げます。
・外傷、腫れ、疼痛、浸出液などが出現した場合はすぐに対応できるようにする
・禁煙の勧め(抹消血管の血流を維持させるために)
・足の清潔を保つ
・自分の足の合った靴を履く
・爪の手入れをする
・熱傷に注意する
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