脳幹出血による意識障害の特徴とフィジカルアセスメント

                     
        
                   
        
                   
      
       

意識障害についてのおすすめ記事

リスク管理のコツ

リスク管理を行うためには、対象者が罹患している疾患を把握し、まずは病態把握をすることが重要です。

病態把握には、血液データやフィジカルアセスメントが大切になりますが、何よりもまずは、解剖・運動・生理学等の基礎を理解していることで、病態理解が深まります。

また対象者の画像情報からも、フィジカルアセスメントと一致した初見が見られないかなど、有用な情報を得ることが可能になります。

そして、ある程度知識を覚えておく事で、なぜそのような状態になるのかというアセスメントの材料が多くなります。

今回、皮質下出血による意識障害の捉え方についてまとめていきたいと思います。

脳幹と出血

大脳に近い側から、中脳、橋、延髄と間脳を合わせて「脳幹」と呼びます。

脳幹は、意識と生命維持の役割を担っています。

脳幹出血は、脳出血全体の5~10%を占めます。

脳幹出血と意識障害

意識障害が生じる脳部位として、視床や脳幹網様体がありますが、そこに関わる部分が上行性網様体賦活系です。

上行性網様体賦活系は、会社やお店で言うと社長のような役割があります。

社長は、会社やお店を営業するかを決めて命令を下しますが、上行性網様体賦活系はそのような役割があります。

上行性網様体賦活系が機能しなくなると、営業日の命令を下すことがなくなり、会社やお店は定休日が続きます。

上行性網様体賦活系の機能低下が生じるのが、中脳から視床にかけての障害です。

上行性網様体賦活系の始まりは、脳幹網様体です。

網様体は、神経節や核の集合体で、延髄、橋、中脳に存在します。

覚醒レベルを上げるように命令する上行性網様体賦活系は、脳幹網様体から、視床(視床下部)の髄板内核を通る経路になります。

脳幹出血と急変リスク

脳幹は、意識と生命維持の役割があることは前途しました。

脳幹出血が生じた場合、出血量が少量であっても昏睡となり全身状態悪化につながることがあります。

その場合、舌根沈下による窒息リスクや、延髄呼吸中枢損傷による自発呼吸停止などには注意が必要になります。

脳幹出血とフィジカルアセスメント

脳幹出血の頻度として多いのは橋出血です。

橋出血では、「両側の瞳孔縮瞳」が生じます/

また、運動麻痺としては両側の四肢麻痺が生じ得る可能性もあります。

そのため、病的反射のバビンスキー反射も両側に生じることがあります。

最後に橋出血の症状で確認される症状を確認します。

橋外側の損傷で出現しうる症状

•蝸牛神経(核):難聴、耳鳴り
•下行性交感神経繊維:同側のホルネル症候群
•三叉神経脊髄路(核):同側顔面の痛覚と温度覚の障害
•前庭神経覚:悪心、嘔吐、回転性めまい、眼振
•下小脳脚:同側の上下肢・歩行失調
•顔面神経:同側の顔面神経麻痺
•脊髄視床路:反対側体部の痛覚、温度覚の障害
•傍正中橋網様体:病変側への注視麻痺

橋内側損傷で出現しうる症状

•小脳結合繊維:同側上下肢・歩行失調
•皮質脊髄路:反対側の運動麻痺
•外転神経(核):同側外直筋麻痺
•内側毛帯:反対側の振動覚・位置覚の障害
•内側縦束:核間性眼筋麻痺 傍正中橋網様体:病変側への注視麻痺

                     
        
                   
        
                   
      
       

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