心不全と食事-塩分摂取制限を行う理由-

                     
        
                   
        
                   
      
       

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心不全についてのおすすめ記事

心不全について

心不全は、以下のように定義されています。

なんらかの心臓機能障害、すなわち、心臓に器質的および/あるいは機能的異常が生じて心ポンプ機能の代償機転が破綻した結果、呼吸困難・倦怠感や浮腫が出現し、それに伴い運動耐容能が低下する臨床症候群

急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)

これはどういうことかと言うと、「心臓のポンプ機能」、すなわち血液を送り出す働きと血液を受け取る働きがなんらかの原因で破綻することで起こります。 

これにより、全身組織に必要な血液量(心拍出量)を送り出すことができない状態に陥ります。

心臓病食について

心臓病食において大事なポイントは、

・水分制限
・塩分制限

です。

心不全と水分制限

心不全では、「心臓のポンプ機能」と「心拍出量」の関係性で捉えていく事が大切です。

心拍出量に影響を与える要因として、「前負荷」があります。

前負荷とは、収縮開始前に心臓にかかる負荷で、全身から心臓に戻る血液量で表されます。

全身から心臓に戻る血液量が多くなればなるほど、心臓には負担がかかっているという事を示しています。

この循環血液量は、水分摂取によっても変化があります。

体内の水分量が過剰に増加すると、血液量が増えることになり、結果として心臓に更に負担がかかります。

そのため心不全の方では水分制限が行われる事があります。

ただし、水分制限に関しては全ての人が対象になるわけではありません。

水分制限が必要な場合とは、腎機能が悪い場合、重症の心不全の場合、心不全の管理が難しい場合がほとんどです。

心不全と塩分制限

前途した前負荷と循環血液量の関係ですが、塩分摂取によっても循環血液量は増加します。

それは、塩分摂取により晶質浸透圧が上昇し、水を吸収するためです。

*晶質浸透圧、膠質浸透圧の違い

 浸透圧:アルブミンによって生じる浸透圧は、「膠質浸透圧」〔こうしつしんとうあつ〕と呼ばれます。これは晶質〔しょうしつ〕である塩化ナトリウム(食塩)でできた0.9%生理食塩水による浸透圧効果が「晶質浸透圧」と呼ばれることと対をなしています。

 膠質(コロイド)とは、直径10~1000A(オングストローム、10-8cm)の粒子(たとえばアルブミン)が媒体(たとえば水)の中に分散している状態のものです。

 一方、晶質は結晶可能な物質という意味です。塩化ナトリウムは、過飽和の水溶液から容易に結晶化します。このため塩化ナトリウムは晶質であると呼ばれます。

 反面、アルブミンはその分子にたくさんの物質が結合していること、また、多数のタンパク質を含む血漿から100%近い純度で取り出せないため、結晶化することが困難です。このため晶質とは言われず、膠質と呼ばれます。

 このような物の性質の違いにより、「膠質浸透圧」と「晶質浸透圧」の言葉の使い分けがなされています。

http://www.ketsukyo.or.jp/plasma/albmen/alb_02.html

塩分の元になるナトリウムは、交感神経を緊張させる働きがあるため、血圧上昇を招き心臓かけてしまいます。

血圧については以下の記事を参照してください。

塩分の過剰摂取により血液中のナトリウム濃度が上昇すると、濃度を薄めるために、腎臓では水とナトリウムの再吸収を増加させようとします。

その際、バソプレシンやアルドステロンといった、抗利尿ホルモンが分泌されます。

するとさらに循環血液量が増加し、心臓への負担が高まってしまいます。

腎臓については以下の記事を参照してください。

                     
        
                   
        
                   
      
       

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