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リハビリテーションとリスク管理
リハビリテーション実施の際には、対象者の状態に合わせたリスク管理を行うことが重要です。
リスク管理を行うためには、対象者の患っている疾患から病態を把握し、カルテ情報やフィジカルアセスメント等を行うことが必要になります。
病態把握のためには、解剖学や生理学、病理学等の基礎知識も必要になります。
今回、糖尿病とリスク管理において、血糖コントロールと体重減少についてまとめていきたいと思います。
糖尿病と血糖コントロールの指標
HbA1C(ヘモグロビンエーワンシー)
糖尿病において、血糖コントロールが適切になされているかを測る指標に、「HbA1C(ヘモグロビンエーワンシー)」があります。
HbA1Cは、糖分が付着したヘモグロビンである、グリコヘモグロビンが、全てのヘモグロビンのうち何%あるのかを示すものです。
正常の赤血球と高血糖状態の赤血球の違い
血糖値が高くない、つまり正常な場合では、成人のヘモグロビンの約90%を占めるHbAは、糖との結合はありません。
一方、高血糖が持続している状態では、HbAは糖と結合し、HbA1Cとなります。
この結合は可逆的であり、血糖値が低下すると糖の結合は無くなります。
高血糖状態が1ヶ月程度続くと、HbAと糖の結合が強固になり、これは非可逆的なので、血糖値が低下しても結合は続きます。
高血糖状態が長く続くと、HbA1Cは安定型となり、赤血球の寿命が尽きるまで(約120日)血液中に存在するようになります。
このようなメカニズムから、HbA1Cは血糖コントロールを測定する指標として用いられています。
HbA1Cは、過去1-3ヶ月の血糖値を反映する検査だということを覚えておいてください。
成人におけるHbA1Cの基準値は「6.5%」となっています。
血糖コントロールと体重減少
血糖コントロールがうまくいっていない場合だと体重が減少することがあります。
我々が行動を起こすにはエネルギーが必要です。
糖尿病により高血糖状態が続いていると、糖分を細胞内に取り込むことができなくなるため、脂肪を分解してエネルギーを産生し利用しようとします。
2型糖尿病では、インスリンは不足状態にありますが、血糖値が上昇します。
糖は腎臓で再吸収されるのですが、血糖値が160-180mg/dl以上になると、処理能力を上回るため、糖が尿に排出されるようになります。
すると、尿の浸透圧は上昇します。
尿管を通る濃い尿は、水分をたくさん引っ張るので、尿量が増加します(浸透圧利尿)。
これらの要因により、体重減少が生じることが考えられます。
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