リハ・看護・ケアと栄養-食欲低下の原因⑤精神的要因-

                     
        
                   
        
                   
      
       

栄養についてのおすすめ記事

運動と栄養の関係性

身体機能を向上させたい!日常生活能力を向上させたい!

そう考えた時に、ただ単に運動を行わせれば良いというものでもありません。

それはなぜかと言うと、対象者の全身状態が関係しています。

今回のテーマである栄養の観点からすると、低栄養状態で運動を積極的に行うと、逆に対象者の機能低下を引き起こしてしまう事があります。

低栄養を引き起こす要因の一つとして、「食欲低下」があります。

食欲低下の原因は様々ですが、その要因を分析し、栄養状態を改善する事が、積極的な運動による効果を期待できるようになります。

食欲低下の原因

食欲低下の原因にはいくつかの要素が考えられます。

・食習慣、環境
・嚥下機能低下
・がんや、手術、薬物療法、放射線治療などの治療の影響
・消化器系の症状(胃炎、吐き気、便秘、下痢など)
・身体症状(痛み、息苦しさなど)
・口腔内環境(味覚の変化、口内炎、口内の乾燥、入れ歯が合わないなど)
・精神的要因(不安、抑うつ、せん妄、ストレスなど)

原因を考えただけでも、上記のように多数の事が考えられます。

そのため、食欲低下の原因を詳細にアセスメントしながら、対策を講じて行く必要があります。

今回は、食欲低下の原因の中でも、精神的要因に焦点を当てていきたいと思います。

食欲低下と精神機能

精神状態は、精神面への影響だけではなく、身体的な状態にも影響を与える事があります。

緊張や不安など精神的ストレスが長期的に続くと、交感神経が持続的な興奮状態になります。

交感神経の持続的な興奮は、副交感神経との相互関係において、そのバランスを崩してしまいます。

交感神経優位な状態が続くと、消化吸収を促進する副交感神経の働きが抑えられて、慢性的に食欲を感じなくなる事があります。

皆様も、人間関係、仕事、恋愛などのストレスで一時的に食事が喉を通らなくなったという経験があるかもしれません。

このように、精神的ストレスは食欲低下につながり、摂食量の低下から体重減少などにつながる事があります。

また、持続的なストレスは胃腸機能を低下させます。

ストレス性の胃炎や胃潰瘍が生じたり、慢性的な下痢が起こる場合も多く、その影響により食欲が低下する事があります。

精神疾患との関係性では、統合失調症では発症からの流れの中で、自律神経症状として食欲低下が生じる事があります。

うつ病においても摂食中枢の機能低下から食欲を感じにくくなる事があり(無理やり食べている場合もある)、体重減少につながる事があります。

対象者の食欲低下が確認された場合には、精神的な側面として、人間関係や仕事、経済的な不安などの要因が隠れていないか、精神疾患の既往はないか、精神状態の悪化はないかを観察や情報収集により把握する事が求められます。

食欲不振はいつから続いているか、食欲不振はどの程度か、またどれくらい食べられているかなどの質問や状況確認から行い、その原因を詳しく把握していく事が、食欲低下の原因を見極める大切なポイントになります。

                     
        
                   
        
                   
      
       

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