リハ・看護・ケアと栄養-食欲低下の原因④口腔内環境-

                     
        
                   
        
                   
      
       

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運動と栄養の関係性

身体機能を向上させたい!日常生活能力を向上させたい!

そう考えた時に、ただ単に運動を行わせれば良いというものでもありません。

それはなぜかと言うと、対象者の全身状態が関係しています。

今回のテーマである栄養の観点からすると、低栄養状態で運動を積極的に行うと、逆に対象者の機能低下を引き起こしてしまう事があります。

低栄養を引き起こす要因の一つとして、「食欲低下」があります。

食欲低下の原因は様々ですが、その要因を分析し、栄養状態を改善する事が、積極的な運動による効果を期待できるようになります。

食欲低下の原因

食欲低下の原因にはいくつかの要素が考えられます。

・食習慣、環境
・嚥下機能低下
・がんや、手術、薬物療法、放射線治療などの治療の影響
・消化器系の症状(胃炎、吐き気、便秘、下痢など)
・身体症状(痛み、息苦しさなど)
・口腔内環境(味覚の変化、口内炎、口内の乾燥、入れ歯が合わないなど)
・精神的要因(不安、抑うつ、せん妄、ストレスなど)

原因を考えただけでも、上記のように多数の事が考えられます。

そのため、食欲低下の原因を詳細にアセスメントしながら、対策を講じて行く必要があります。

今回は、食欲低下の原因の中でも、口腔内環境に焦点を当てていきたいと思います。

口腔内環境と食欲

口腔内環境と食欲の低下の関係性としては、味覚の変化、口内炎、口内の乾燥、入れ歯が合わないなどがあります。

味覚の変化については、以前の記事で化学・薬物療法との関係性から紹介しました。

義歯不適合

口腔内環境として、高齢の対象者でよく遭遇するのは、義歯(入れ歯)の不適合です。

・入れ歯を入れているだけで歯ぐきに痛みがある
・食べ物などを噛んだ時に痛みを感じる
・入れ歯によって口腔の粘膜や歯茎に床部分が擦れて、傷ができ口内炎ができる

このような例は、義歯の不適合が原因として考えられます。

義歯の不適合が生じるのは、主に以下の要因があります。

・骨の変化
・入れ歯の摩耗
・入れ歯の汚れ

骨の変化は、骨形成と骨吸収のバランスが崩れることにより生じます。

骨吸収に対して骨形成が遅くなると、骨が痩せてしまい、入れ歯と口腔粘膜の間にすきまが生じるため義歯の不適合が起こります。

入れ歯の摩耗では、長期間の義歯の使用により義歯自体がすり減り、不適合が生じます。

入れ歯の汚れでは、食べかすや歯垢の菌が義歯の変質を生じさせることや、唾液に含まれるカルシウムの成分が義歯に付着することで義歯の形が変わり、義歯の不適合を生じさせます。

口腔内乾燥

口腔内乾燥により味覚異常や食欲低下を引き起こす事があります。

口腔乾燥により口腔自浄作用(口腔内でおこる咀嚼や唾液の分泌といった動作・現象によって自然に生じる清浄力)が減少し、舌苔の付着などが原因です。

経口摂取を行っていないことによって、唾液分泌量が低下することも原因です。

口腔内感想の原因としては、以下のものが考えられます。

・シェーグレン症候群(唾液腺や涙腺を代表とする外分泌腺障害による乾燥症状を特徴とする自己免疫性疾患)
・糖尿病などの生活習慣病に起因する疾患に誘因するもの
・降圧薬、抗不安薬など薬剤性の口腔乾燥によるもの
・精神的ストレスによる口腔乾燥
・食習慣や咀嚼筋力の低下

対象者の食欲低下が見られた際に、口腔内環境を評価して、上記したような原因がないかを把握する事が必要になります。

                     
        
                   
        
                   
      
       

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