リスク管理に役立つ血ガス分析の見方-PaCO2を中心に-

                     
        
                   
        
                   
      
       

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血ガスについてのおすすめ記事

リスク管理のコツ

リスク管理を行うためには、対象者が罹患している疾患を把握し、まずは病態把握をすることが重要です。

病態把握には、血液データやフィジカルアセスメントが大切になりますが、何よりもまずは、解剖・運動・生理学等の基礎を理解していることで、病態理解が深まります。

今回、リスク管理のための血ガス分析の見方として、「PaCO2」を中心にまとめていきたいと思います。

血ガス分析とPaCO2

血ガス分析におけるPaCO2との関係を確認していきます。

PaCO2は動脈血二酸化炭素分圧のことで、動脈血中の二酸化炭素の分圧を表しています。

PHを異常値にしている原因(二酸化炭素:酸性物質)となります。

PaCO2は換気により調節されています。

PaCO2の基準値は35-45Torrです。

PHが異常な状態

「PH」と言うのは、水溶液の性質を表す単位の一つで、溶液中の水素イオンの濃度のことをさします。

人体においては、健常な人の動脈血はpH7.35~7.45と、中性(PH7)に近い値となります。

PHが酸性に傾く事をアシデミアと言います。

PHが酸性になる病態をアシドーシスと言います。

PHがアルカリ性に傾く事をアルカレミアと言います。

PHがアルカリ性になる病態をアルカローシスと言います。

PaCO2の調整

PaCO2の調整は、肺で行われます。

呼吸回数を調整することで、PHを保っています。

何らかの影響で肺の換気量が低下すると、CO2が体内に残ったままになるため、体内は酸性に傾いていきます。

逆に、換気量が増えると、CO2が体外に多く出て行ってしまい、体内がアルカリ性に傾くこともあります。

PHがアシデミア(PH<7.35)でPaCO2が増加

PHが酸性に傾き、PaCO2が増加している場合は、肺の換気量が低下し、CO2が体内にどんどんと溜まるためです。

これは、呼吸性アシドーシスと言われる状態です。

COPDなどの閉塞性疾患、神経筋疾患や脊柱管狭窄症などによる胸郭運動の制限、薬剤の影響などが原因として考えられます。

PHがアルカレミア(PH>7.45)でPaCO2が減少

PHがアルカリ性に傾き、PaCO2が減少している場合は、換気量が増え、CO2が体外に多く出て行ってしまうためです。

これは、呼吸性アルカローシスと言われる状態です。

低酸素状態による呼吸刺激、疼痛、過換気症候群、薬剤の影響などが原因として考えられます。

これらの要因があると、呼吸が速く深くなるので、PaCO2は正常値よりも低くなります。

                     
        
                   
        
                   
      
       

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