看護・リハも知っておきたい掻痒感への対応とケア

                     
        
                   
        
                   
      
       

こんな場面ありませんか

リハビリテーション場面で、患者様が「かゆい!しっかりとかいて!」となんども言われる。

痒みのせいでリハビリにあまり集中できない。

しっかりかきすぎると皮膚を傷つけてしまうのが怖いのでどう対応すれば良いかわからない。

このような掻痒感を訴えられる方は多くおり、どのような対応を取れば良いかわからない場面もあるかと思います。

今回、リハビリの阻害因子となる掻痒感への対応とケアについてまとめていきたいと思います。

掻痒感の原因

掻痒感を生じさせる原因として多いものに、

・ドライスキン
・汗や皮脂の停滞

があります。

「ドライスキン」とは、皮膚が乾いた状態のことです。

ドライスキンの原因は様々なものがありますが、表皮角質層の水分が失われると、皮膚のバリア機能が低下し、手荒れ、肌荒れ、皮膚のかゆみなどが生じます。

汗や皮脂の停滞も、痒みを引き起こすことがあります。

わかりやすい例で言うと、洗髪を長期間行わないでいると皮脂が頭皮に溜まり、痒みを引き起こすことがあります。

このような例では保清や保湿を行うことで改善が期待できます。

この他に、臥床時間が長くなり布団をかぶっている事が多いと、体表面の温度が上昇する事があります。

これは、ヒスタミンの遊離から求心性C繊維が刺激され、痒みが強くなる事があります。

冬場では、電気毛布の使用も同様のメカニズムで痒みを強くさせる事が考えられます。

掻痒感への対応とケア

清拭と衣服

掻痒感の原因が、「汗や皮脂の停滞」の場合、皮膚の清潔を保つ必要があります。

清拭や衣服の交換を積極的に行います。

その際、皮膚への刺激に注意しながら、硬いタオルは用いずにゆっくりと優しく拭く必要があります。

これは、強くこすると皮膚のバリア機能が低下してしまうためです。

清拭の際、石鹸の泡が残ってしまうと皮膚刺激が強まることから、掻痒感をひどくさせる事が考えられます。

衣服の交換は毎日できないこともあることから、その場合は下着を着用することを考慮します。

下着を着用することで、汗が吸い取られるため、全身の清潔に繋がります。

下着の素材はなるべく綿などの身体に優しいものを選択すると良いです。

保湿剤

保湿剤は、水分量維持や皮膚のバリア機能を改善させるために必要です。

「ドライスキン」への対応として塗布されます。

保湿剤は1日2回以上です塗布することで保湿が保たれやすくなります。

塗布量は少なすぎず、多すぎずが基本です。

目安としては、皮膚がしっとりする事と、ティッシュ1枚が皮膚に貼り付く程度が良いとされています。

冷罨法

冷罨法は,発熱時の体温下降,疼痛の緩和,出血予防や止血作用,炎症反応の抑制,掻痒感の軽減など,身体的苦痛の緩和や心理的安楽の目的で用いられる。また,化学療法の副作用(脱毛)を予防するために,点滴開始 30分前より頭部の冷罨法を行うこともある。さらに, 臨床では,高熱が持続している時,迅速に解熱をさせるため,総頸動脈部,腋窩動脈部,大腿動脈部等の太い脈が走行している部位に,氷嚢や氷頸を貼用し,血液の温度を下げ,それを循環させ効果を得る方法が用いられる。

https://lib.yamanashi.ac.jp/igaku/mokuji/kiyou/kiyou16/image/kiyou16–015to019.pdf

冷罨法は、以下のようなものを用いる事があります。

・冷湿布
・冷ハップ
・部分冷浴
・氷嚢
・氷頸
・氷枕
・ダンクールキャップ
・アイスノン
・アイスマット

冷罨法は保湿剤の塗布でも効果が出ない場合に用いられる事があります。

冷刺激により体表面の温度が下がり、求心性C繊維への刺激入力が抑制され、掻痒感が軽減されることを期待します。

注意点

出血傾向や皮下出血がある方では、ヘパリン類似物質クリームを塗布すると血液凝固の抑制により出血を助長する事があるため禁忌となります。

透析を行なっている方では、除水による皮膚の乾燥が問題になりやすくなるため、保湿剤の塗布を考慮する必要があります。

                     
        
                   
        
                   
      
       

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