加齢による腎機能低下と血液検査値の変化-(K,P,尿酸値,RBC,Hb)-

                     
        
                   
        
                   
      
       

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加齢による変化

年齢を重ねると、心身機能の状態は徐々に変化します。

この変化は血液データにも反映され、通常の検査値の基準範囲に収まらないこともしばしばあります。

そのため、加齢による心身機能の変化を理解し、それに伴う検査数値の変化についても学んでおく必要があります。

今回、加齢による腎機能と検査値の変化についてまとめていきたいと思います。

腎臓の機能

腎臓の機能は主に4つあります。

一つ目は、尿を生成することにより、体液の量と組成の調節を行います。

二つ目は、体内での酸と塩基のバランスの調節を行います。

三つ目は、尿素やクレアチニンなどを体外に排出する(代謝産物の排泄)役割があります。

四つ目は、ホルモンの産生・調節の役割があります。

腎臓ではエリスロポエチンを分泌することで、赤血球の産生を促進します。

また、ビタミンDを活性化し、活性化ビタミンDに変換します。

他にも、レニンを分泌します。

レニンが腎臓の血流が低下することでレニンが分泌され、血圧を上昇させるホルモンに作用します。

体液の量と組成の調節酸と塩基のバランスの調節代謝産物の排泄は、尿生成や排泄によりその機能が果たされます。

このような腎臓の働きにより、体の体液の恒常性を維持しています。

腎機能の変化と電解質

電解質とは

電解質とは、ナトリウム(Na)・カリウム(K)・カルシウム(Ca)・マグネシウム(Mg)・塩素(Cl)・リン(P)・重炭酸(HCO3)の各イオンが代表的です。

これらを、各内分泌臓器が分泌するホルモンや腎臓・消化管などが行っています。

腎機能の変化と電解質で注意したいこと

腎機能低下により注意したい電解質としては、

・カリウム(K)
・リン(P)

があります。

腎機能低下が重症化してくると、上記の電解質は上昇してくることがあります。

高カリウム血症は血清K値が5.0mM以上の状態です。

重症例では体に酸が過剰に貯まり、危険な不整脈を起こすため、緊急性を要します。

高カリウム血症については以下の記事を参照してください。

一部の降圧薬の副作用として上昇することもあります。

高リン血症は血清P濃度 4.5mg/dL以上の状態です。

P値が高い状態では、FGF23(Pの排泄を抑えるホルモン)が分泌されます。

FGF23は、ビタミンD産生を抑制するため、Ca(カルシウム)取り込みが減少し、骨粗鬆症に繋がってしまいます。

また、血管の石灰化を起こしやすくし、高血圧た脳血管障害、心筋梗塞などにつながることがあります。

腎機能低下と尿酸値の関係性

尿酸の約70%は腎臓から排泄されます。

そのため、尿酸排泄が低下する慢性腎臓病(CKD)では、高尿酸血症が認められることが多くなります。

尿酸値の上昇は、関節痛や動脈硬化の原因となったり、尿路結石を生じさせてしまいます。

腎機能低下と貧血

前途しましたが、腎臓ではエリスロポエチンを分泌することで、赤血球の産生を促進します。

そのため、腎機能低下によりRBC(赤血球)数やHb(ヘモグロビン)値は低下し、貧血に繋がります。

貧血については以下の記事も参照してください。

                     
        
                   
        
                   
      
       

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