鎖骨骨折とクラビクルバンドの役割-装着の注意点やケアのポイント-

                     
        
                   
        
                   
      
       

リスク管理のコツ

リスク管理を行うためには、対象者が罹患している疾患を把握し、まずは病態把握をすることが重要です。

病態把握には、血液データやフィジカルアセスメントが大切になりますが、何よりもまずは、解剖・運動・生理学等の基礎を理解していることで、病態理解が深まります。

今回、鎖骨骨折とクラビクルバンドの役割として、装着の注意点やケアのポイントについてまとめていきたいと思います。

クラビクルバンドとは

クラビクルバンドは、鎖骨骨折などの処置において、患部の外転位を的確に保持する鎖骨固定帯です。

固定を目的としていますが、必ずしも完全に固定できるものではないことに注意をしておく必要があります。

クラビクルバンド装着の際には、「胸を張る」ようにして装着することで、その効果を最大限にすることができます。

鎖骨骨折では、クラビクルバンドを通常6週間程度装着することになります。

鎖骨骨折と短縮、牽引

鎖骨骨折はほとんど(約80%)が鎖骨の中央3分の1の部位で発生しますが、成人から高齢者の場合は肩寄りの遠位端の骨折を生じることもあります。

骨折すると、体の中央寄りの近位骨片は上方へ、肩寄りの遠位骨片は下方にずれます。鎖骨の正常の形が変形し、さらに両骨片が重なり合って短縮すると、肩幅が狭くなり、骨折部に皮下出血やはれ・痛みが生じ、腕や肩を動かすとさらに痛みが強まります。

https://www.jsfr.jp/ippan/condition/ip03.html

クラビクルバンドを使用すると、骨を長軸方向に牽引することによって、骨折部の短縮を防ぐことが可能になります。

鎖骨骨折では、腕の重みにより骨折部の転移が生じてしまうこともあるため、三角巾による固定も行うことが多いです。

鎖骨骨折におけるリスク管理とケアの注意点

神経障害が出ていないか

腕神経叢における神経根は、脊柱管を出た後、鎖骨と第一肋骨の間を通ります。

鎖骨骨折に伴ない腕神経叢を損傷してしまう可能性があるため、運動のしにくさやしびれなどの神経障害が生じていないかを確認することが重要です。

血行障害が出ていないか

鎖骨下動脈は、前斜角筋と中斜角筋の間、鎖骨と第1肋骨の間の肋鎖間隙、小胸筋の肩甲骨烏口突起停止部の後方を走行しています。

鎖骨下動脈が圧迫されると、上肢の血行が悪くなって腕は白っぽくなり、痛みが生じます。

また鎖骨下静脈が圧迫されると、手・腕は静脈血のもどりが悪くなり青紫色になります。

そのため、疼痛や上肢の浮腫、皮膚の色調を確認しておくことが重要です。

                     
        
                   
        
                   
      
       

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