高カリウム血症と脈拍-なぜ徐脈になるか-

                     
        
                   
        
                   
      
       

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リハビリテーションとリスク管理

リハビリテーション実施の際には、対象者の状態に合わせたリスク管理を行うことが重要です。

リスク管理を行うためには、対象者の患っている疾患から病態を把握し、カルテ情報やフィジカルアセスメント等を行うことが必要になります。

病態把握のためには、解剖学や生理学、病理学等の基礎知識も必要になります。

今回は、高カリウム血症と脈拍をメインテーマとして、なぜ徐脈が生じるのかをまとめていきたいと思います。

高カリウム血症とは

高カリウム血症とは、血液中のカリウム濃度が高い状態(血清カリウム濃度が5.5mEq/L以上)です。

症状としては、悪心嘔吐などの胃腸症状、しびれ感、脱力感などの神経筋症状があります。

血清カリウム濃度が6~7mEq/Lになると心電図異常(テント状T波、P波の平定化、QRS幅の延長)や不整脈が見られ、7mEq/L以上になると致死的不整脈を起こす可能性が高くなります。

原因としては、
・カリウムの過剰摂取
・カリウムの体外排泄の不足
・細胞内カリウムの体内移動

が挙げられます。

もう少し具体的に例を挙げると、

・カリウム保持作用のある薬剤
・腎不全
・副腎不全
・細胞の崩壊が起こる疾患(横紋筋融解症、熱傷、軟部組織や消化管への出血など)

があります。

カリウムが高いと不整脈が生じる理由

通常、カリウムは細胞内の濃度が高いのですが、常に細胞内→外に移動し、細胞内の電位を下げています。

正常な状態では、ナトリウムイオンが細胞内に流入し、カリウムイオンが細胞外に流出します。

細胞内外のナトリウムイオンとカリウムイオンの電位差により電気刺激が発生し、心筋が興奮して収縮が生じます。

高カリウム血症では、細胞外にカリウムが多い状態であり、心筋細胞外へカリウムが流出しにくい状態です。

すると心臓への刺激が入りにくくなり、徐脈になります。

そのまま放置しておくと、最悪の場合心停止に至ることが考えられます。

また、心臓の電気刺激の乱れにより不整脈が生じることがあります。

高カリウム血症に特徴的な「テント状T波」は、細胞外にカリウムイオンが多くなり再分極の勢いが強い状態であることを反映しています。

                     
        
                   
        
                   
      
       

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