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便秘と日常生活への影響
便秘があると日常生活に様々な悪影響を及ぼします。
便秘は、長期間便が溜まっている状態です。
すると、腸内では悪玉菌が増殖し、匂いの元になります。
便秘は自律神経の乱れが原因となりますが、便秘によるストレス等が自律神経の乱れを引き起こし、様々な自律神経症状を引き起こしてしまう事があります。
便秘の種類
便秘にはいくつかの種類があります。
一つ目は、弛緩性便秘です。
弛緩性便秘は、結腸の筋肉が緩んで、蠕動運動が弱苦なり、便を送り出しにくくなっている状態です。
弛緩性便秘は、活動量が低下している方に多く見られます。
二つ目は、痙攣性便秘です。
痙攣性便秘は、筋の緊張状態が続き、蠕動運動が強くなりすぎる事で便が滞留し、便を送りにくくなっている状態です。
痙攣性便秘は精神的緊張(不安やストレス)が高まっている方に多く見られます。
三つ目は、直腸性便秘です。
直腸性便秘は、便が直腸にたどり着いても、肛門の機能障害により、便が排泄されず、便意も起こらなくなる状態です。
便秘の原因
一般的な便秘の原因として、以下の要因があります。
・水分不足
・食物繊維摂取不足
・腸の動きが弱い
・運動不足
・過度の緊張やストレス
・便意の慢性的な我慢(排便反射の鈍化)
今回のテーマは食物繊維摂取と便秘解消ですが、食物繊維は腸にどのような好影響を与えるのでしょうか。
便秘解消と食物繊維摂取に関する論文紹介
今回の論文は、
からのものです。
この論文では、ランダム化比較試験(RCT:randomized controlled trial)のメタアナリシスにより検討されています。
ランダム化比較試験とは
研究の対象者を2つ以上のグループにランダムに分け(ランダム化)、治療法などの効果を検証することです。
ランダム化により検証したい方法以外の要因がバランスよく分かれるため、公平に比較することができます。
ランダム化比較試験では、患者も医師も振り分けられるグループを選ぶことはできません。
無作為化比較試験ともいいます。
https://ganjoho.jp/public/qa_links/dictionary/dic01/modal/randomized_controlled_trial.html
ランダム化比較試験は、評価のバイアス(偏り)を避け、客観的に治療効果を評価することを目的とした研究試験の方法となります。
メタ解析(メタアナリシス)とは
複数の独立した研究の結果を統計的に統合するための技法がメタアナリシスです。
ある程度似ている研究の複数の結果を統合し、ある要因が特定の疾患と関係するかを解析する統計手法です。
治療法の比較のために、複数の臨床試験結果をまとめる場合にも用いられます。
ひとつひとつの研究の結果が矛盾している場合でも、たくさんの研究結果を解析することで、より総合的な評価をすることができます。
https://ganjoho.jp/public/qa_links/dictionary/dic01/modal/meta_analysis.html
様々な研究手法があるのですが、エビデンスレベルの最も高いものが、ランダム化比較試験のメタアナリシスだとされています。
今回の論文の内容と食物繊維が便秘解消に効くメカニズム
この論文によると、食物繊維の摂取は、便秘患者の便の回数を明らかに増加させる事がわかりました。
しかしながら、便の硬さ、治療効果、下剤の使用、排便時の痛みなどは明らかに改善しなかったとの事でした。
便の硬さに変化はないが、便の回数が増えているということは、便秘が解消されていると捉えることも可能です。
食物繊維が便秘解消に効くメカニズムとしては、いくつかの要因が考えられています
一つ目は、食物繊維が便の量を増やし大腸通過時間を短くする事です。
二つ目は、発酵した食物繊維は短鎖脂肪酸(ヒトの大腸内で腸内細菌によって作られる酸(有機酸)の一種)を生成し、浸透圧を増大させて大腸通過時間を短縮する事です。
三つ目は、短鎖脂肪酸は腸管内のpHを低下させる(短鎖脂肪酸が酸性のため)ことにより、大腸通過時間を短縮する事です。
四つ目は、食物繊維は水分を含むことにより、便性状と量を改善する事です。
これらのことからも、食物繊維を含む食品を摂取することは、便秘解消につながる事がわかります。
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