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リハビリテーションと睡眠の関係性
リハビリテーション効果を高めるためには、いかに運動学習を促していくかを考えていく必要があります。
いくら関節可動域や筋力が向上しても、いかに自分の身体を動かして、効率よく、エネルギー消費の少ない形で動作を行えるかがポイントになります。
この時、効率の良い運動学習を促すために必要なことの一つとして、「睡眠」があります。
学習というのは、手続き記憶であったり陳述記憶の長期記憶把持を意味しています。
運動学習において、覚醒中に練習した技能や記憶が、睡眠中に強化もしくは固定化に関係すると推測されています。
睡眠が十分に取れないと、リハビリテーション対象者の方のモチベーション低下や易疲労性に繋がります。
睡眠は身体的な疲労や脳の疲労回復を促してくれますが、特に脳の疲労回復に影響が強いとされています。
脳の疲労が蓄積すると、注意集中力の低下が生じ、課題遂行がうまくできなくなる可能性が高まります。
すると、やはり運動学習は促されにくいということになります。
睡眠の質を促すために行いたいこと
リハビリテーションを阻害する昼夜逆転問題
リハビリテーションの対象者は高齢者が多く、身体・精神的な合併症を複数抱えていることが少なくありません。
何らかの影響により睡眠が阻害された結果、時々見かけられるのが昼夜逆転の問題です。
夜間睡眠を取れないことにより、日中の覚醒度が低下し、結果的にまた夜間睡眠を取りにくくなるという悪循環が生じます。
睡眠を阻害する原因を考える
睡眠を阻害する原因として大きく5つに分類することができます。
・身体的要因
・生理学的要因
・薬理学的要因
・心理学的要因
・精神障害
これらのうち、睡眠を妨げている原因がどこにあるかを、情報収集等行い探索していく必要があります。
不適切な睡眠衛生を除去するために行えること
良質な睡眠を確保するためには、不適切な睡眠衛生をいかに除去していくかといった視点が必要です。
日中に十分な光をあび、適度な運動を行う、寝る前の入浴を行うなど、生活習慣の改善は睡眠の質を良くするために重要であるとされています。
長すぎる昼寝は夜の睡眠を妨げると考えられていますが、午後の1~3時の間に定期的にとる20分程度の昼寝は、夜間の睡眠を改善する可能性があることが指摘されています。
短い時間の昼寝を取ると、午後の覚醒度が上がるため、それ以降の活動性が高まった結果、夜間の睡眠を改善すると考えられています。
この事から、入院患者様においては、リハビリテーション実施の際に日光浴を行う、病棟と協力して日中の昼寝時間の管理を行うなどの対策が必要になります。
日中の運動量が低下し、活発な精神活動の機会に乏しくなると、高齢者では徐波睡眠が減少しやすいと言われています。
入眠前の覚醒時間の長さ、覚醒中の身体運動量、精神負荷量が増すと、徐被睡眠が増加することで中途覚醒が減少するなど、夜間睡眠が良質になることが報告されています。
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