リハビリを阻害する睡眠障害の5つの原因-高齢者の睡眠に焦点を当てて-

                     
        
                   
        
                   
      
       

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リハビリテーションと睡眠

リハビリテーションにおいて、睡眠は重要と捉えられていますが、その理由は以下のようになります。

一つ目に、運動学習の効率化です。

リハビリテーションでは、障害を持たれた方に新しい技能として、その運動を学習してもらう必要があります。

学習過程は新しい運動技能の情報が記憶として定着することが大きな部分を占めますが、多くの先行研究において、睡眠が運動技能学習の記憶の固定化に重要な役割を果たすということが示唆されています。

2つ目には、疲労の回復です。

睡眠は、身体の疲労や脳の疲労回復にとって重要な生理現象であり、特に、脳の疲労回復の重要性が指摘されています。

睡眠不足は、昼間の眠気を招くだけでなく、疲労を蓄積させることで作業遂行にまで影響を及ぼす事があります。

このような状態でリハビリを続けても、効率的なパフォーマンスを発揮する事ができず、運動学習にも悪影響を与える事が考えられます。

高齢者と睡眠障害

高齢者の睡眠効率

睡眠効率とは、臥床時間のうちに睡眠が現れている時間の比率のことです。

高齢者では、加齢によって睡眠の変化が現れます。

高齢者では寝床に入って臥床する時間は延長しますが、実際に眠っている時間は短くなります。

これは、睡眠効率が低いことを示しています。

60歳以上の高齢者では睡眠効率が70~80%に低下すると言われています。

高齢者の睡眠が夜間に集中しない理由

高齢者の睡眠が夜間に集中しない理由として、以下のことが指摘されています。

高齢者では, 深部体温の概日リズムの位相が前進するのみではなく, その振幅も低下する. 高齢者の睡眠が夜間にのみ集中せず, 昼間に居眠りや強い眠気が生じるのは, このような概日リズムの振幅の低下が睡眠・覚醒の側面にも現れるためであるという可能性も考えられる

https://www.jstage.jst.go.jp/article/geriatrics1964/42/1/42_1_1/_pdf/-char/ja

上記の事から、浅い睡眠や、日中の低い覚醒水準、睡眠・覚醒のタイミングの前方シフトなどの睡眠・覚醍パターンの変化は概日リズムの振幅の低下によるものだと考えられています。

概日リズムの変化は、高齢者の生活習慣の影響があるとも考えられています。

5つの不眠の原因

不眠の原因には、5つが考えられています。

そして、それは5つの「P」があるとされています。
・physical
・physiological
・pharmacological
・psychological
・psychiatric
です。

それぞれは、
・身体的要因
・生理学的要因
・薬理学的要因
・心理学的要因
・精神障害
になります。

身体的要因

身体的要因には、疼痛や夜間頻尿、かゆみ、咳、呼吸困難などがあります。

生理学的要因

生理学的要因には、騒音、光、不快な温度、引 っ越しや旅行などの環境変化などの環境要因に対する生理的反応や好しくない生活習慣により引き起こされる不眠があります。

薬理学的要因

薬理学的要因には、薬物や酒などの嗜好品による副作用、もしくは離脱などがあります。

心理学的要因

心理学的要因には、ストレス,や緊張などがあります。

精神障害

精神障害には、うつ病、統合失調症、不安性障害(神経症)などがあります。

対象者の方が不眠を訴えている場合、上記の5つの要素に当てはまっているものがないか確認をすることが重要です。

高齢者は様々な身体的疾患や精神的疾患などを合併していることが多いため、現病歴だけでなく既往歴等を確認し、さらには入院前の睡眠状況も確認する事が大切になります。

                     
        
                   
        
                   
      
       

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