リハビリテーションと易疲労性-原因⑪睡眠-

                     
        
                   
        
                   
      
       

目次

易疲労性についてのおすすめ記事

リハビリテーションと易疲労性

リハビリテーションと易疲労性を考える場合に、その原因を探索することは重要です。

なぜならば、疲れやすさの原因が疾患からくるものなのか、身体的要因からくるものなのか、精神的要因からくるものなのかによって、療法士は易疲労性への対処方法を適切に行う必要があるためです。

今までの記事で、易疲労性の原因をいくつか取り扱ってきました。
・貧血
・腎性貧血
・電解質異常
・低栄養
・ステロイド剤の使用
・脱水
・認知症
・心不全
・精神疾患
・高次脳機能障害

このように、ざっと挙げるだけでも易疲労性の原因となりうるものがかなりの数あります。

対象者の全体像を把握しながら、なぜ「疲れる」「だるい」「体が重たい」と訴えがあるのかを考えて行く必要があります。

今回は、易疲労性の原因となるものとして、睡眠をテーマとして考えていきたいと思います。

睡眠と健康

適切な睡眠は、私たちが健康維持するためには必要不可欠な要素です。

睡眠は、身体の疲労や脳の疲労回復にとって重要な生理現象です。

特に、脳の疲労回復の重要性が指摘されています。

睡眠不足は、昼間の眠気を招くだけでなく、疲労を蓄積させることで作業遂行にまで影響を及ぼします。

リハビリテーション場面では、昼夜逆転している対象者が、昼間に睡眠を取る傾向にあります。

このような状態では、リハビリを効率的に進めにくいことが考えられますし、行えたとしても疲労感の訴えが聞かれることが良くあります。

睡眠状況の確認と問診

昼夜逆転傾向にあるのであれば、睡眠不足としての反応はわかりやすいです。

しかしながら、対象者の方では「なんか眠りにくい」「眠りが浅い」と訴えるような方もいます。

我々ができることは、問診を通しての睡眠状況の確認と睡眠を妨げている要因の探索です。

睡眠を妨げている要員としては、大きくは以下のものが考えられます。
・心理的要因
・身体活動量の要因
・環境要因

リハビリテーションを受けている対象者は、病院や施設という住み慣れていない環境で生活をしてしており、それだけでも心理的負荷がかかります。

さらに自分の状態が良くなるのか等、考え込んでしまう場合も少なくはありません。

このような心理的負荷は不安や焦燥感に繋がり、不眠の原因になってしまうことが考えられます。

療法士としてできることは対象者の抱えている不安などに対してしっかりと話を聞くことです。

これが根本的な解決にはならないかもしれませんが、対象者の心理状況を知り、サポートする上では欠かせないことだと考えられます。

身体活動量の要因としては、不眠が続くと疲労感や体力消耗を代償しようとして、昼間の活動量や外出、運動を避け る傾向が見られることがあります。

このような活動量の低下は逆に不眠を強めてしまうので注意が必要です。

周囲がサポートできる環境が整っているのであれば、日中の活動量をいかに確保して行くかも重要なポイントになります。

最後に、環境要因があります。

これは、例えば病院や施設で集団で生活している場合、環境音やいびきなどなどが影響している場合があります。

他にも、周囲の人との折り合いが合わないことでストレスがかかり、睡眠に影響していることも考えられるため、環境要因の評価も行いながら対象者の睡眠状況を把握して行くことが大切になります。

睡眠については以下の記事も参照してください。

                     
        
                   
        
                   
      
       

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