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リハビリテーションと易疲労性
今回でリハビリテーションと易疲労性のシリーズ第6回目です。
これまで、易疲労性の様々な原因を考えてきました。
貧血、腎性貧血、電解質異常、低栄養、ステロイド剤の使用、、、
今回は、6つ目である心不全について考えていきたいと思います。
心不全とは
まず、心不全は疾患名ではありません。
心不全とは、心臓に関する様々な疾患により引き起こされる心臓機能不全の状態を指しています。
心不全と言っても、その種類や症状、程度は多種多様です。
これは、急激に心不全の状態に陥ったのか、または時間をかけて慢性的に心不全の状態に陥ったのかにもよります。
また、心不全の原因にも様々なものがあります。
心不全の症状は大きく2つで捉えると理解しやすい
心不全の症状には様々なものがありますが、大きく2つに分類すると理解しやすくなります。
血液を送り出す能力の低下による症状
心拍出量が減ったのが原因で、「疲れやすい」「だるい」「動悸がする」など。血液のうっ滞によって起こる症状
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/heart/pamph07.html
血液を送り出す能力が低下すると、心臓から前方へ血液が進みにくくなり、心臓の後方、血液を受け取る側で血液のうっ滞が起こります。
このように、心拍出量低下による疲労感等の症状と、浮腫が生じやすくなります。
心不全と易疲労性
前途しましたが、心不全により血液を送り出す能力低下が生じると、心拍出量が低下します。
我々は多くの酸素を血液の流れによって全身に運搬しますが、心拍出量が低下すると肺に多くの血液が溜まったままになってしまいます。
すると、血液のガス交換が効率よく行われなくなるため、息苦しさや疲れやすさに繋がります(酸欠状態が生じやすくなる)。
心不全の進行をモニタリングすることが重要
心不全は、その進行度合いにより症状も異なります。
初期のわかりやすい症状として、平地歩行では問題ないが、坂道歩行で疲れやすさや息切れが生じやすくなります。
心不全の進行とともに、仰向けでの咳の多さや息苦しさが目立ち、解決には体を起こすことで楽になることがあります。
このような症状が生じるということを把握しておき、対象者に当てはまるものはないかを確認しておく必要はあるでしょう。
慢性心不全増悪の兆候として、
・下腿浮腫
・体重増加
・運動耐容能低下
・全身倦怠感
・食欲不振
・夜間頻尿
・尿量減少
が挙げられます。
慢性心不全においては、これらの症状の有無を確認して行くことが重要になります。
高齢者の場合、脱水傾向がある場合に、うっ血所見が確認されにくくなる点を押さえておくことが重要になります。
心不全については以下の記事も参照してください。
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