目次
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リハビリテーションと易疲労性
リハビリテーションでは、身体機能改善のために運動を行う事が多いですが、その際気をつける必要があるのが、
「易疲労性」です。「易疲労性」とは、その名の通り疲れやすい状態です。
リハビリテーションを提供する際に、対象者が「しんどい」と訴えた時に、なぜしんどいのかを考える事が重要です。
ただただ運動耐容能の低さから来るのか、もしくは貧血からくる易疲労性なのかなど、「しんどい」の原因を追求することにより、リハビリテーションにおける対応も異なります。
今回は、易疲労性の原因の中でも、電解質異常に焦点を当てていきたいと思います。
電解質とは
電解質(イオン)とは、血液や体液に含まれるナトリウム、クロール(塩素)、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのことを指します。
これらは5大栄養素(糖質、脂質、たんぱく質、ミネラル、ビタミン)のうちの一つであるミネラルに属します。
電解質は、細胞の浸透圧を調節したり、筋肉細胞や神経細胞の働きに関わっています。
電解質異常とは
普段私たちは、体の外から栄養や水分を食事から体内に取り込みます。
そして、不要なものや老廃物は、尿や便として体外に排泄します。
これら吸収と排泄の作用により、水分や電解質などの成分(体組成成分)のバランスが保たれます。
体組成成分のバランスが崩れた状態を、水・電解質代謝異常と呼びます。
電解質異常はなぜ生じる
電解質異常を引き起こす原因には様々なものがあります。
腎臓不全などの腎臓の異常や腎臓以外の異常(食事や水分の摂取の過不足、下痢、発熱による大量の発汗、腎臓での尿の生成を調整するホルモンの異常など)があります。
そのため、療法士は腎機能の確認(血液データなどで)、栄養状態の確認(3食の食事摂取量の確認や血液データの確認)を行い、電解質異常を引き起こす原因を把握していく必要があります。
電解質異常と易疲労性
電解質異常では、異常のある電解質によりその症状には違いがあります。
高ナトリウム血症 | 意識障害、口渇 |
---|---|
低ナトリウム血症 | 意識障害、手足のつりや脱力 |
高カリウム血症 | 意識障害、徐脈(脈が遅い)、手足のつりや脱力、血圧低下 |
低カリウム血症 | 手足のつりや脱力 |
高カルシウム血症 | 意識障害、口渇、食思不振、悪心、嘔吐 |
低カルシウム血症 | 手足のつりや脱力 |
高マグネシウム血症 | 血圧低下 |
低マグネシウム血症 | 手足のつりや脱力、食思不振、悪心、嘔吐 |
特に低ナトリウム血症においては、軽症状態でも疲労感を訴え、さらに進行する事で頭痛・嘔吐・痙攣などを起こすことがあります。
電解質については以下の記事も参照してください。
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