目次
腎臓についてのおすすめ記事
- リハビリテーションとリスク管理-腎機能低下と血圧-
- リハビリテーションとリスク管理-体重増加と腎不全-
- リハビリテーションとリスク管理-腎不全の浮腫の現れ方、見分け方-
- リハビリテーションとリスク管理-腎機能の理解から腎不全における症状を確認-
- リハセラピストも知っておきたい電解質輸液の種類と違い
- リスク管理に役立つ血ガス分析の見方-PHが正常範囲内でも代償を見逃さない-
- リスク管理に役立つ血ガス分析の見方!HCO3-を中心に!
- リスク管理に役立つ!血ガス分析のための基礎知識!
- リハビリテーションとリスク管理-酸塩基平衡-
- 加齢による腎機能低下と血液検査値の変化-(K,P,尿酸値,RBC,Hb)-
腎臓の機能
腎臓の機能は主に4つあります。
一つ目は、尿を生成することにより、体液の量と組成の調節を行います。
二つ目は、体内での酸と塩基のバランスの調節を行います。
三つ目は、尿素やクレアチニンなどを体外に排出する(代謝産物の排泄)役割があります。
四つ目は、ホルモンの産生・調節の役割があります。
体液の量と組成の調節、酸と塩基のバランスの調節、代謝産物の排泄は、尿生成や排泄によりその機能が果たされます。
このような腎臓の働きにより、体の体液の恒常性を維持しています。
腎不全とはどのような状態か
血液を濾過には「糸球体」と呼ばれる組織の働きが必要です。
この糸球体の網の目がつまってしまうと腎臓の機能が低下してしまいます。
腎機能が低下すると、老廃物を十分排泄できなくなり、このような状態を腎不全といいます。
なお、腎臓の働きが正常の30%以下に低下した状態が腎不全と定義されています。
いったん慢性腎不全になると、腎機能は回復しません。
腎臓と電解質の関係
前途した腎臓の機能のうち、腎不全では酸と塩基のバランスの調節(水分・電解質(塩分)バランスの調節)が困難になります。
腎機能低下により注意したい電解質としては、
・カリウム(K)
・リン(P)
があります。
腎機能低下が重症化してくると、上記の電解質は上昇してくることがあります。
腎臓病と食事
カリウムの制限
基本的に、たんぱく質量が多くなればカリウム量も多くなります。
また、カリウム量が多い食品には果物や野菜があります。
肉や魚はたんぱく質、カリウムの含有量が多くなります。
野菜、芋、きのこ、果物はたんぱく質は少ないですが、カリウムは多く含まれています。
カリウムは水に流れやすいので、茹でたり水に浸けたりする事でカリウムを減らすことが可能になります。
また、果物は生のものよりも缶詰の方がカリウム量を減らすことが可能です。
1日のたんぱく質が30g以下に制限することで、カリウムの摂取も制限が可能になります。
リンの制限
魚介類、肉類、卵・乳・大豆製品、主食類といった、たんぱく質を多く含むものにリンは多く含まれています。
1日のたんぱく質が30g以下に制限することで、リンの摂取も制限が可能になります。
食事制限のバランス
腎臓病食の基本は、主食はでんぷん製品または低たんぱく質食品を使用することにあります。
カリウムやリンの摂取制限を気にしてばかりでいると、必要不可欠なビタミン類の摂取がおろそかになってしまう事も考えられます。
腎機能低下がある全ての方がカリウムやリンを制限する訳ではありません。
基本的にはカリウムやリンが上昇している場合が適応になります。
検査値によって必要な食事療法が決定されるので、血液データを確認することが必要になります。
この記事へのコメントはありません。