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リハビリテーションと腎不全
リハビリテーションでは、腎不全に対するリスク管理を行いながら、適切な運動内容を提供する必要があります。
その際、腎不全の増悪兆候をアセスメントすることが大切になります。
腎不全の増悪兆候としては、体重増加が1日に1-2kg以上ある場合になります。
また、浮腫の存在もリスク管理を行っていく上では確認事項になるので、注意しておきたいポイントになります。
今回、腎不全の浮腫の現れ方の特徴や、心不全における浮腫の現れ方の違いについても考えていきたいと思います。
腎不全で浮腫が生じる理由
腎臓では血液をろ過して、そこから尿を作っています。
この時、重要になる組織が「糸球体」です。
袋状の構造をした「ボーマンのう」の中に、毛細血管が密集した糸球体があります。
糸球体は網の目構造をしているのですが、その網の目が詰まってしまうと腎臓の機能が低下します。
腎機能が低下すると、老廃物を十分排泄できなくなり、このような状態を腎不全といいます。
腎臓の機能が低下すると、ろ過機能の低下から、過剰な水分を排出することが難しくなります。
これが、浮腫や体重増加の原因となります。
腎不全における浮腫の特徴
腎不全における浮腫は、全身の中でも、特に「顔」や「上半身」に生じやすいというふうに言われています。
一方、心不全における浮腫は「下肢(下腿)」に生じやすいことが特徴でした。
同じ浮腫でも、腎不全と心不全において出現しやすい場所に違いがあるのですが、これはどうしてでしょうか。
腎不全における浮腫が「顔」や「上半身」に出現しやすい理由としては、「低タンパク血症」が関係していると言われています。
腎不全では、糸球体の機能が低下することは前途しました。
糸球体機能が低下することは、ろ過するためのフィルターが機能しなくなるということです。
これにより、尿にタンパクが混じるようになります。
尿中のタンパク質量が高度になると、低タンパク血症(低アルブミン血症)になります。
タンパク質は血液中に水分を引き寄せる作用があり、低タンパク血症の状態では血液の水分が血管外に出てしまいます(膠質浸透圧の低下→間質への水分の移動)。
これにより、浮腫が出現します。
とはいえ、低アルブミン血症における浮腫は全身性浮腫に分類されているため、下肢にも浮腫は生じます。
なお、低アルブミン血症状における浮腫では、下肢の圧痕が消失するまでの時間が40秒以内であることが多いとされています。
血清アルブミン値 3.0g/dL以下であれば、その多くが圧痕消失時間≦40秒となりうるとの報告があります。
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