目次
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リスク管理のコツ
リスク管理を行うためには、対象者が罹患している疾患を把握し、まずは病態把握をすることが重要です。
病態把握には、血液データやフィジカルアセスメントが大切になりますが、何よりもまずは、解剖・運動・生理学等の基礎を理解していることで、病態理解が深まります。
そして、透析療法においては、どのような機器を用いて老廃物の排泄が行われるかについても把握しておく必要があります。
今回、看護・リハも知っておきたい透析療法として、バスキュラーアクセスの種類についてまとめていきたいと思います。
透析療法が導入される基準
厚生省科学研究(1992年)によると、透析療法が導入される基準は以下のようになっています。
以下の点数の合計が60点以上が透析導入が必要な状態
(1) 症状・所見
- 水の貯留(むくみ・胸に水が溜まる)
- 酸塩基電解質異常(高カリウム血症、酸の貯留)
- 消化管の症状(吐き気・嘔吐・食欲不振)
- 心臓の症状(呼吸困難・息切れ・心不全・著明な高血圧)
- 神経の症状(意識混濁・けいれん・しびれ)
- 血液の異常(貧血・出血が止まりにくい)
- 目の症状(目がかすむ)
このうち3つ以上の症状 = 30点、2つの症状 = 20点、1つの症状 = 10点
(2) 腎機能
- 持続的に血清Cr8mg/dl以上(あるいはクレアチニンクリアランス10ml/min以下)=30点
- 血清Cr 5~8mg/dl(Ccr 10~20ml/min未満)=20点
- 血清Cr 3~5mg/dl 未満(Ccr 20~30ml/min未満)=10点
(3) 日常生活の障害の程度
- 起床できない高度 = 30点
- 著しい制限中等度 = 20点
- 運動・労働が出来ない軽度 = 10点
10歳以下または65歳以上の高齢者または糖尿病、膠原病、動脈硬化疾患など全身性血管合併症の存在する場合は10点を加算する。
小児においては血清Crを用いないでCcrを用いる。
透析療法の種類
透析療法には、血液透析と腹膜透析の2種類がありますが、多くの方は血液透析を行っています。
血液透析は、透析装置を使って血液を循環させながら、血液中の老廃物や余分な水分を濾過、排泄するものです。
1回の透析に要する時間は4-5時間で通常は週3回通院して行われます。
腹膜透析は、お腹の中に透析液を入れ、腹膜を使って透析を行います。
自宅で行える透析療法です。
透析液の量は約1.5~2リットル程度で、透析液の出し入れ(バッグ交換)を1日に4回程度行います。
24時間かけてゆっくり透析をするため血圧の変動も少なく、痛みもない事が特徴になります。
バスキュラーアクセスの概要と種類
血液透析においては、大量の血液を透析器に循環させる事が必要ですが、体内から血液を取り出す場所を「バスキュラーアクセス」と言います。
バスキュラーアクセスは、主に4つの種類があります。
自己血管による皮下動静脈シャント(AVF)
これは、自分の血管を用いたシャント(内シャント)です。
血液透析の中では一番多く用いられているバスキュラーアクセスになります。
通常は、橈骨動脈と橈側皮静脈を利用して作成されます。
人工血管による皮下動静脈シャント(AVG)
これは、人工血管を用いたシャント(内シャント)です。
人工血管を用いるのは、前腕で皮下動静脈シャント(AVF)を作成する事ができない場合や、心機能低下によりシャント負荷に耐えられない場合、末梢循環不全を呈していない場合などに作成されます。
シャント負荷について、
シャントの作製が心機能,心房性利尿ホルモン,心肥大に影響を与えることはすでに知られている.短絡量が著しく大きい場合,心拍出量が限界に達して心機能が破綻し,高心拍出量性心不全を呈する.または,心予備能が低い場合,シャント血流の増加に心拍出量の増加が対応することができずに,全身循環が阻害される循環障害型の心不全が発症する.
日本透析医学会雑誌 38巻 9号 2005
とあります。
表在化動脈
これは、筋膜に囲まれた上腕動脈を筋膜の外に位置を変えて(皮膚まで挙上させる)穿刺しやすくするものです。
カフ型カテーテル
これは、透析カテーテルが長期間留置に耐えれるように、皮下トンネルとカフをつけたものです。
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