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リスク管理のコツ
病態把握には、血液データやフィジカルアセスメントが大切になりますが、何よりもまずは、解剖・運動・生理学等の基礎を理解していることで、病態理解が深まります。
また対象者の画像情報からも、フィジカルアセスメントと一致した初見が見られないかなど、有用な情報を得ることが可能になります。
今回、看護・リハも知っておきたい急性硬膜外血腫の頭部CT画像の特徴と見方についてまとめていきたいと思います。
急性硬膜外血腫とは
急性硬膜外血腫とは、頭部外傷により発生した、頭蓋骨と硬膜の間に溜まった血腫のことです。
なお、傷性頭蓋内血腫には、
・硬膜外血腫
・硬膜下血腫
・脳内血腫(脳挫傷)
があります。
出血源としては、硬膜にある中硬膜動脈(硬膜と頭蓋骨の間を走行)、もしくは静脈洞が挙げられます。
これは、頭蓋骨骨折があれば急性硬膜外血腫を起こす可能性が高いということを示しています。
好発部位は中硬膜動脈が走行する側頭部や側頭・頭頂部が最も多く、約半分を占めます。
他にも、前頭部、頭頂・後頭部や後頭蓋窩にも発生します。
年齢は10~30歳の若年者に多いですが、高齢者による転倒・転落による発症も多いことが特徴です。
急性硬膜外血腫の症状とフィジカルアセスメント・モニタリング
急性硬膜外血腫の症状は、血腫量とは相関せずに、出血部位や出血速度に関係することが特徴です。
側頭部の受傷では意識障害よりも、瞳孔不同が先行する傾向にあります。
また、出血速度が速いものでは急激に意識障害が進行し、不可逆的な変化をきたすと言われています
脳損傷を合併しない例では血腫の増大とともに症状が悪化しますが、合併する例では通常受傷直後より意識障害が出現します。
受傷直後は意識清明期(頭をけがした時は少し意識が朦朧とすることがありますが、すぐに意識が回復して元気になり、あたかも何も問題が無さそうに見える時期)があっても、出血は始まっている事が多くあります。
脳損傷合併例では脳の損傷度合いにより予後が決定され、脳損傷非合併例では血腫除去の時期が遅くならなければ予後は良好とされています。
急性硬膜外血腫のフィジカルアセスメントやモニタリングでは、意識清明期があることを考慮し、急激な神経症状悪化があるかもしれない事を念頭に置いておく必要があります。
神経症状の変化や急激な血圧低下がある場合、血腫による脳ヘルニアの合併を考えなければなりません。
急性硬膜外血腫の頭部CT画像の特徴と見方
急性硬膜外血腫の頭部CT画像では、凸レンズ型の高い吸収領域(白っぽいグレー)が確認できます。
血腫内部に低吸収域が混在することがありこれを「swirl sign」と呼びます。
これは、持続性出血に相当に相当します。
基本的に縫合線を超えて広がることはありません。
大脳鎌や小脳テントを超えて広がることがあります。
左下の、骨条件のCT画像では、骨の連続性を示す白色が切れており、骨折の所見があることが確認できます。
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