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リスク管理のコツ
リスク管理を行うためには、対象者が罹患している疾患を把握し、まずは病態把握をすることが重要です。
病態把握には、血液データやフィジカルアセスメントが大切になりますが、何よりもまずは、解剖・運動・生理学等の基礎を理解していることで、病態理解が深まります。
今回、肋骨骨折とバストバンドの役割として、装着の注意点やケアのポイントについてまとめていきたいと思います。
バストバンドとは
バストバンドは胸部固定帯の一つです。
肋骨骨折だけではなく、胸部手術後や上腕骨骨折後の固定のために用いられることもあります。
バストバンドは、変形の予防、矯正、疼痛軽減などの目的に利用されます。
肋骨骨折に対しては、バストバンドを巻くことで肋骨に圧迫を加え、肋骨位置を固定する役割があります。
肺や心臓、血管損傷がない肋骨骨折に対して処方されることが多くなります。
バストバンド装着により患部の固定性が得られ安定するので、疼痛軽減効果が生じます。
バストバンド装着における注意点
皮膚トラブルに注意
バストバンド装着においては、皮膚トラブルの出現に注意が必要です。
多くの方は下着や上着の上から装着するとは思いますが、直接皮膚の上から装着すると皮膚トラブルの元になります。
バストバンドの装着方法
バストバンドの装着では、下側がどうしても緩みやすくなってしまいます。
バストバンドは、弛まないように装着する方法があります。
①息を吸った時に上側を止める
②息を吐いた時に下側を止める
このような装着方法の工夫により、緩みにくくなるので、固定性がアップします。
固定性のアップは、動作時の疼痛軽減効果にも役立つので、しっかりと確認するようにしましょう。
なんとなくの装着は、本人の苦痛を増大させるだけでなく、骨折部の治療にも悪影響を与えてしまいます。
装着後、締めすぎによる呼吸のしやすさの確認も忘れないようにしてください。
肋骨骨折におけるケアの注意点
血気胸の出現
血気胸は気胸と血胸が同時に存在した状態です。
呼吸苦や胸痛、チアノーゼの有無、バイタルサインなどを確認し、対象者自身にも異変を感じた場合、すぐに報告してもらうようにすることが大切になります。
安静時、就寝時の姿勢
肋骨骨折により呼吸のしにくさがある場合、安静時や就寝時の姿勢はファーラー位をとることが良いかもしれません。
ファーラー位とは、仰臥位で下肢を水平にしたまま上半身を45度程度上げた半座位の体位です。
腹部手術後にドレナージを促進させることを目的とした体位だが,腹部臓器による肺の圧迫を軽減することから呼吸機能の改善を目的としたり,体位ドレナージや経管栄養時の逆流防止の目的に用いられる。
https://www.jaam.jp/dictionary/dictionary/word/1001.html
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