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目次
リハビリテーションとリスク管理
リハビリテーションとリスク管理においては、対象者が持つ疾患の病態把握が必要です。
そして、病態把握を行うためには、解剖学や生理学などの基礎知識が必要なのは言うまでもありません。
しかしながら、実際にはこの基礎知識がおろそかになりがちです。
そこで今回は、リハビリテーションとリスク管理のための基礎知識として、腎臓とホルモン産生・調節についてまとめていきたいと思います。
腎臓とホルモン産生・調節
エリスロポエチン
腎臓では、エリスロポエチンというホルモンが産生されています。
エリスロポエチンは赤血球の産生を促すホルモンです。
腎不全では必要な量のエリスロポエチンが産生されず、赤血球の産生も十分なものとはなりません。
そのため赤血球が不足し腎性貧血の状態となります。
腎性貧血については以下の記事を参照してください。
カルシウム代謝調節
腎臓では、副甲状腺ホルモンの作用によりCa(カルシウム)の再吸収を促進する働きがあります。
また、P(リン)の再吸収抑制やこれらの働きを助けるビタミンD活性化の調整の役割があります。
腎臓の機能低下により低カルシウム血症になる可能性があります。
血圧と体液量調節
腎臓では、血圧と体液量の調節もしています。
これは、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系が関係しています。
レニンという物質は、タンパク質分解酵素です。
レニンはアンジオテンシンを活性化させることにより血圧の調節を行なっています。
腎臓の機能低下により腎臓における血流が減少すると、レニンの産生が多くなります。
レニン産生が多くなると血液中のアンジオテンシノーゲンからアンジオテンシンIという物質をつくります。
アンジオテンシンIはアンジオテンシン変換酵素(ACE)によりアンジオテンシンIIに変換されます。
アンジオテンシンIIは全身の動脈を収縮させるとともに、副腎皮質からアルドステロンを分泌させます。
アルドステロンはNa(ナトリウム)を体内に溜める働きがあり、これにより循環血液量が増加して心拍出量と末梢血管抵抗が増加します。
すると腎性高血圧という状態になります。
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