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誤嚥に対するアプローチの重要性
よく、誤嚥を防ぐために座位環境を整えたり、口腔内アイスマッサージをしたり、嚥下体操をしたりと、様々な取り組みが行われます。
それは、誤嚥が生じてしまうと、重篤な症状を引き起こしてしまう可能性があるためです。
今回、看護・ケアと誤嚥として、誤嚥が引き起こす重篤な症状についてまとめていきたいと思います。
正常な嚥下と誤嚥
正常嚥下では、食べ物が口に入ると、咀嚼することにより食塊形成されます。
食塊が口腔から咽頭に送り込まれ、咽頭に達すると嚥下反射が引き起こされます。
嚥下反射というのは、食塊を咽頭から食道まで運ぶ運動を起こす反射です。
咽頭を通過した食塊は食道に送り込まれ、この時、食道の入り口が開き、同時に、喉頭蓋が傘になって気管の入り口をふさぎながら、食塊が食道に送り込まれます。
このような流れにより、正常な嚥下が行われます。
一方、誤嚥というのは、嚥下の機能に問題がある事で、本来は咽頭→食道→胃→腸へと流れていく食物や水分などが、誤って気管内に流れ込んでしまう事をさします。
誤嚥の内容物は、食物や水分だけではありません。
他のものとして、嚥下障害が重度な場合には、唾液や口の中の細菌が気管内に流れ込むこともあります。
誤嚥が引き起こす重篤な症状
誤嚥は、その量が多かったり、繰り返される事で、より重篤な症状を引き起こしてしまう可能性があります。
気道閉塞
重篤な症状の一つ目は気道閉塞です。
気道閉塞は、誤嚥の量が多くなると生じる可能性があります。
気道閉塞では急な呼吸苦や窒息につながることがあります。
気管支の攣縮
重篤な症状の二つ目は気管支の攣縮です。
攣縮とは、痙攣性の収縮のことです。
喉頭や気管の中に食物などが流入することが刺激となって、喉頭や気管支が急激に縮んだ状態になります。
気管支の攣縮によって、急激な呼吸困難や喘息のような呼吸困難となることがあります。
気管支などの攣縮は、物理的な刺激への反応としてだけでなく、アレルギー性の反応が重なって、このような状態になる場合もあります。
またこの様な症状は、誤嚥の量が多くなくても出る可能性があるので注意が必要です。
慢性気管支炎、誤嚥性肺炎
重篤な症状の三つ目は慢性気管支炎や誤嚥性肺炎です。
これは、いわゆる気道感染症というものです。
誤嚥の量が多いと、肺炎等を起こす原因となりえます。
誤嚥量が少なくても、誤嚥が何度も繰り返されていると、異物の反応や細菌の流入によって、肺炎が引き起こされることもあります。
無気肺(肺の中に空気が入っていない、又は肺の空気が極端に少ない状態)となることもあります。
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